日本地球惑星科学連合2014年大会

講演情報

ポスター発表

セッション記号 M (領域外・複数領域) » M-IS ジョイント

[M-IS31_2PO1] 分野横断的連携による総合的な地球温暖化研究に向けて

2014年5月2日(金) 16:15 〜 17:30 3階ポスター会場 (3F)

コンビーナ:*立入 郁(海洋研究開発機構)、河宮 未知生(海洋研究開発機構)、筒井 純一(電力中央研究所)

16:15 〜 17:30

[MIS31-P01] 海洋へ供給される有機態窒素に関する大気化学輸送モデル

*伊藤 彰記1Lin Guangxing2Penner Joyce2 (1.海洋研究開発機構、2.ミシガン大学)

キーワード:大気由来の沈着, 水溶性有機態窒素, 環境変化

地球温暖化や人間活動の影響による海洋および陸域における生態系変化は二酸化炭素の吸収量や揮発性有機化合物の発生量などに影響を与える。その数値モデルの予測可能性向上にとって主要な必須元素となるのが、窒素である。従来、生物が利用可能な反応性の窒素成分の中で硝酸態窒素とアンモニア態窒素に着目した数値モデル研究が一般的に行われている。近年では、それらに加えて有機態窒素に関心が集まりつつある。有機態窒素とは、有機成分に含まれる窒素のことである。尿素、アミノ酸、そしてフミン酸などに含まれる窒素は植物プランクトンへの養分供給となるため、窒素が生育の制限要因となっている場合には、植物成長を促進させる。これまでの観測結果から、有機態窒素の重要性は指摘されているが、大気中における有機態窒素の化学形態と空間分布はよく知られていない。さらに、従来の大気化学輸送モデルでは有機態窒素の観測結果をおよそ再現できていない。本研究では、大気中における有機態窒素の動態に関する理解を深めるため、全球エアロゾル化学輸送モデルを用いて、海洋へ供給される大気由来の有機態窒素供給量に関して議論する。