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[MIS35-01] ジオパークに関する内外の状況と今後の課題
キーワード:ジオパーク, ユネスコ, 世界ジオパークネットワーク, 日本ジオパークネットワーク, 日本ジオパーク委員会
日本国内、また世界の各国でもジオパークの理念が広く知られるようになり、研究者、地域住民、行政職員、中央政府職員、地域貢献を考える企業の人々など様々なタイプの人々がそれぞれの立場からジオパークに注目している。それぞれの思惑は異なり、また多くの関係者は自分の立場を中心にジオパークをとらえており、ジオパークの理念について様々な立場からの議論して理念を再構築して行く時期に来ている。こうした状況の中で、世界ジオパークネットワークはジオパークのユネスコ正式イニシアチブ化(あるいは正式プログラム化)に向けてユネスコと議論を続けている。ユネスコの正式イニシアチブないし正式プログラムとなった場合、これまでのジオパーク関係者自らがジオパークを評価・審査する、Peer review的な方法に変化を迫られる可能性がある。また、ユネスコ傘下でジオパークを推進する以上、これまで専門家不在、ノウハウ不足、資金不足など様々な理由でジオパークを実現できなかった国への支援がジオパークコミュニティに求められることとなる。ユネスコでのジオパークに関する議論は、ユネスコ生態地球科学部が事務局となり、ユネスコ加盟国のユネスコ代表部科学担当が議論の中心的な役割を果たし、世界ジオパークネットワークのメンバーが加わって行われる。この中で、これまでのジオパークの活動に対する一種の外部評価が行われつつ、今後の体制作りが議論されている。一方国内では、ジオパークの科学担当者や運営担当者による現地審査が一昨年から動き出し、昨年からは現地審査員グループとJGC委員によるジオパークの審査方針に関する議論も活発となってきた。ジオパークのpeer reviewがようやく始まった段階と言える。その中で、これまでのジオパークの推進体制、日本のジオパークの進むべき方向への議論も併せて活発となってきた。以上のようなジオパークの国内外の動きについて最新の情報を元に報告するとともに、日本国内のジオパーク関係者で議論すべき課題について提起したい。