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[MIS35-11] 山陰海岸ジオパークにおけるガイドのスキルアップのための継続教育（GEO-CPD）
キーワード：ジオパーク, 山陰海岸, 継続教育, 生涯教育
山陰海岸ジオパークは広範囲にわたるジオパークであり，約30のガイドグループが活動している．それらのグループに所属するメンバーのうち，以下の養成講座を受けた人たちがジオパークのガイドとして認定される．（１）ジオパークの理念，世界ジオパークと日本ジオパーク，山陰海岸ジオパークの概要．（２）ガイド対象となる個別のジオサイトについての地質・地形・生物・歴史・文化など．（３）ガイド手法とマナー．（４）自然保護と関連する法律．（５）リスクマネジメントと保険．試験がおこなわれないなど，公認ガイド認定のための基準は必ずしも高くないが，認定は３年ごとに更新され，その間のスキルアップ重視している．そのため３年間のガイド実績とセミナー等への参加が課せられる． しかしながら山陰海岸ジオパークは広範囲で担当するジオサイトも多様であるため，ジオパーク推進協議会のみがすべての公認ガイドに同レベルの学習プログラムを提供することは難しい．一方，広範なジオパークで多くの市町で構成されるため，山陰海岸には博物館や公民館など多くの学習施設が存在する．それらの多くはジオパークの活動とは無関係に独自の学習プログラムを実施しているのが現状である．しかしながらそれらのメニューにはジオパークガイドのスキルアップに深くかかわるものも存在している．したがって，山陰海岸ではガイドのスキルアップを主目的とした継続教育（GEO-CPD）を導入することとした． GEO-CPDは以下のように進められる．（１）事務局の要請に応じ，各施設の予定する学習プログラムのうちガイドスキルアップに有効と考えられるものをGEO-CPD講座として広報する．（２）各ガイドはそれらを受講することで，CPDポイントを１ポイント与えられる．（３）３年後にそれまでに得たポイントが15点以上になったものが，公認ガイドとして再任される．このCPDポイントには各施設によるセミナーだけでなく，山陰海岸内で開催されるフェスティバル，キャラバン，シンポジウム等のアウトリーチプログラムへの参画，GGN・APGN・JGNの大会や学会への参加・発表なども加えられる．そしてGEO-CPDの運営にはジオパーク推進協議会事務局員に大学教員や経験のあるガイドが加わったグループがおこなう．このGEO-CPDシステムを導入し，生涯学習の一環としてスキルアップを実施することで，山陰海岸ジオパークにとって以下の効果が得られると考えられる．（１）ガイドのスキルアップ講座を確保し，多数のガイドに対応することができる．（２）生涯学習の一環として実施することで，ガイドと一般参加者との交流ができる．（３）生涯学習の参加者がガイドへの興味を深めることができる．（４）ジオパーク地域内の生涯学習をより活発にすることができる．