18:15 〜 19:30
[MIS35-P05] 活断層沿いにおける噴砂の検出・記録保存とその活用:白山手取川ジオパークの取り組み
キーワード:白山手取川ジオパーク, 活断層, 森本・富樫断層帯, 噴砂痕, 遺跡
白山手取川ジオパーク内には、大地の営みを学習できるジオサイトが各所にある。金沢市を南北に縦断し、白山市鶴来地区まで伸びる森本・富樫断層帯もその一つである。断層の東側は、断層による隆起活動により標高649mを最高峰とする山地が形成されている。一方、断層の西側は手取川が運んだ大量の土砂が堆積し、広大な扇状地が広がっている。
近年、活断層である富樫断層の西側縁辺部で行われた二カ所の埋蔵文化財発掘調査で弥生時代後期から平安時代の堆積層の中で、大規模な地震が起こったことを示す噴砂(液状化現象)が確認されている。一つは部入道遺跡であり(平松・小阪, 地震, 2013)、もう一つは2013年に発掘調査が行われた熱野遺跡である。これらの噴砂を引き起こす地震が発生した活断層を特定することは困難である。しかし、森本断層沿いの梅田地区での調査からは約2千年前以後、4世紀以前に最新の活動があったことが報告されており(地震調査研究推進本部, 2013)、噴砂が確認された堆積層の時代と同時代であることを考慮するとこれらの噴砂は富樫断層の活動の痕跡である可能性も考えられる。
本報告では、部入道遺跡、熱野遺跡の噴砂について紹介するとともに、扇状地中の微高地に存在するこれらの遺跡に関連した人間活動にも注目する。また、2013年には両遺跡や富樫断層を実際に歩いて見る学習会を一般市民対象に実施しており、その様子についても報告する。
白山手取川ジオパーク推進協議会では、この噴砂の剥ぎ取りを実施、パネル化した上で大地の営みと防災学習を兼ね備えた今後のジオパーク学習教材として役立てることを計画している。
近年、活断層である富樫断層の西側縁辺部で行われた二カ所の埋蔵文化財発掘調査で弥生時代後期から平安時代の堆積層の中で、大規模な地震が起こったことを示す噴砂(液状化現象)が確認されている。一つは部入道遺跡であり(平松・小阪, 地震, 2013)、もう一つは2013年に発掘調査が行われた熱野遺跡である。これらの噴砂を引き起こす地震が発生した活断層を特定することは困難である。しかし、森本断層沿いの梅田地区での調査からは約2千年前以後、4世紀以前に最新の活動があったことが報告されており(地震調査研究推進本部, 2013)、噴砂が確認された堆積層の時代と同時代であることを考慮するとこれらの噴砂は富樫断層の活動の痕跡である可能性も考えられる。
本報告では、部入道遺跡、熱野遺跡の噴砂について紹介するとともに、扇状地中の微高地に存在するこれらの遺跡に関連した人間活動にも注目する。また、2013年には両遺跡や富樫断層を実際に歩いて見る学習会を一般市民対象に実施しており、その様子についても報告する。
白山手取川ジオパーク推進協議会では、この噴砂の剥ぎ取りを実施、パネル化した上で大地の営みと防災学習を兼ね備えた今後のジオパーク学習教材として役立てることを計画している。