日本地球惑星科学連合2014年大会

講演情報

口頭発表

セッション記号 M (領域外・複数領域) » M-IS ジョイント

[M-IS36_1PM1] 結晶成長における界面・ナノ現象

2014年5月1日(木) 14:15 〜 16:00 314 (3F)

コンビーナ:*木村 勇気(東北大学)、三浦 均(名古屋市立大学大学院システム自然科学研究科)、塚本 勝男(東北大学大学院理学研究科地学専攻)、佐藤 久夫(三菱マテリアル株式会社エネルギー事業センター那珂エネルギー開発研究所)、座長:野澤 純(東北大学金属材料研究所)、三浦 均(名古屋市立大学大学院システム自然科学研究科)

15:45 〜 16:00

[MIS36-P05_PG] 結晶成長実験のための画像定量解析技術の最前線

ポスター講演3分口頭発表枠

*横峰 誠1佐藤 久夫2塚本 勝男3佐崎 元4 (1.東陽テクニカ、2.三菱マテリアル、3.東北大学、4.北海道大学)

キーワード:画像解析, 時空間スケール, 表面形状, 大規模縫合

結晶成長実験は、ナノスケールの小さな空間から、我々が肉眼で認識できる可視的空間スケールを対象としてきた。しかし、近年では、その空間スケールはさらに拡大し、地下深部まで、あるいは軌道上の宇宙空間までを対象とするように発展した。測定の世界では、従来よりxyz-tの時空間においてスケーリング則が存在するが、最先端技術の発達によってその障壁を超えることが可能となった。
干渉計やレーザ顕微鏡は試料表面を損なわずに高速データ収集が可能なため、結晶成長の長時間解析や広範囲な表面形状の観察には非常に価値の高いツールである。一定の時間間隔で取得されたデータをオフライン処理することで、時間スケールは容易に変えることができ、真の成長を追跡できる時系列データとなる。これは無人で測定された国際宇宙ステーションでのリゾチーム実験データ(Tsukamoto et al., 2013)や氷界面の観察(Sazaki et al., 2012)、粘土の溶解速度測定(Satoh et al., 2003)の自動処理に有効であった。
また、観察視野のシフトで得られた大量のデータ断片をオフライン処理することで、空間スケールも容易に変えることができる。一般に個別測定データにはオフセットや歪みを含み、また手作業では生成されるデータ量に補正が追いつかないため、データ全体を最終的な解析に活用できないケースが多い。そこで、市販ソフトウェアに専用の処理を行うプラグインを加えたシステムを用いて一貫した正規化や接続面の補正を行うことで測定機に起因するアーティファクトを除去することを試みた。これにより、面全体の特徴を解析するための大規模縫合が実現された。
本講演では、実際の大量データの定量解析を試みた例を紹介する。