日本地球惑星科学連合2014年大会

講演情報

口頭発表

セッション記号 M (領域外・複数領域) » M-SD 宇宙開発・地球観測

[M-SD40_29PM2] 宇宙食と宇宙農業

2014年4月29日(火) 17:15 〜 18:06 312 (3F)

コンビーナ:*片山 直美(名古屋女子大学 家政学部 食物栄養学科)、座長:片山 直美(名古屋女子大学 家政学部 食物栄養学科)

17:30 〜 17:45

[MSD40-02] 宇宙食としての低GI食材を用いた低GL食献立

*小林 瑞希1梶原 聡美1脇田 麻里1高瀬 芳美1河合 美佳1林 嬉乃1片山 直美1 (1.名古屋女子大学)

キーワード:低GI, 低GL, 血糖値, 糖尿病, 宇宙食

目的 宇宙に長期間滞在できるようになり、宇宙での活動量に見合った食事の提供と、血糖値の上がりにくい食事内 容になる献立提供が必要とされている。地球上でもメタボリックシンドロームが問題であり、食後の 高血糖を防ぐことが重要である。同様に宇宙でも、血糖値の上がりにくい食事を摂り、病 気の予防をすることが必要である。そこで本研究は、血糖値の上がりにくい食材料(低GI食材)を用いて、血糖値の 上がりにくい献立(低GL食献立)を作成することを目的とした。 方法 低GI食材を集め、それらの食材を組み合わせて血糖値の上がりにくい献立である低GL食献立を作成した。メニューは「玄米と麦の御飯、味噌汁、鮭のムニエル、野菜の煮物、黒蜜寒天」であった。この献 立をもとに、実際に血糖値を末梢血を用いて測定し、本当に低GL食献立になっているかを確かめた。 末梢血はメデイセーフミニ(テルモ社製)を用いて、食前、食後 15 分、30 分、45 分、60 分、90 分、120 分で測定し た。また、グルコースによる糖負荷試験も行った。 結果 調理方法で比較した結果、今回のメニューのように柔らかく煮込むような調理方法ではは消化吸収が良くなるため、実測のGL値が高くなった。 考察 宇宙食は食後の高血糖を防ぐためと、表情筋を鍛える上でも、歯ごたえのある低GI食材を用いて素材を生かした調 理方法で行うことが望ましいと考える。少量の食事でも噛むことで満足感があり、ゆっくり消化吸収が行われることで 血糖値の急激な上昇を防ぐことができると考える。