日本地球惑星科学連合2014年大会

講演情報

口頭発表

セッション記号 M (領域外・複数領域) » M-SD 宇宙開発・地球観測

[M-SD40_29PM2] 宇宙食と宇宙農業

2014年4月29日(火) 17:15 〜 18:06 312 (3F)

コンビーナ:*片山 直美(名古屋女子大学 家政学部 食物栄養学科)、座長:片山 直美(名古屋女子大学 家政学部 食物栄養学科)

17:45 〜 18:00

[MSD40-03] Mars Desert Research Station(MDRS)における2週間の体験

*片山 直美1 (1.名古屋女子大学)

キーワード:閉鎖空間, ライフサポートシステム, 宇宙食

宇宙滞在を想定した閉鎖空間における長期滞在はライフサポートシステム構築のために必要不可欠な研究である。このたび、日本火星協会とアメリカ火星協会の協力を得て、Crew 137(2014.2.28-2014.3.17)に参加し、宇宙食として使用可能である5年間保存可能な食料と乾物で献立を作成し、その献立における栄養バランスについて考察したので報告する。 2週間、滞在することになった今回の実験において、閉鎖空間内での食事の献立作成を行った。市販されているフリーズドライライスとフリーズドライスープをおもに用いて、さらに魚の缶詰類を組み合わせた。付け合せにはフリーズドライ野菜も用いた。デザートにはドライフルーツ、5年間または3年間保存可能なクッキー、ビスケット、飴などを組み合わせた。 14日間、3食と間食のための献立を作成した。被験者は5名で、それぞれの性別、年齢、活動強度に見合った栄養バランスのとれた食事を目指し、おもに主食の量で全体のエネルギーを調節した。女性53歳には1600kcal、女性21歳2名には1750kcal、男性50歳には1800kcal、男性41歳に2000kcalの食事を提供するように献立を作成した。 市販品の組み合わせであるが、14日間の食事を組み立てることができた。この研究の成果は今後の宇宙食としてステーションまたは長期の宇宙飛行の際に役立つと共に、災害が起こった時に、どのように食品を組み合わせて摂取したらよいのか、また有事に備えて各家庭でどのような食品をそろえて保存していたらよいかを示すことができる。防災対策として今回の研究の成果を冊子としてまとめたので、今後は必要に応じて広く一般に配布したいと考えている。