日本地球惑星科学連合2014年大会

講演情報

口頭発表

セッション記号 M (領域外・複数領域) » M-SD 宇宙開発・地球観測

[M-SD40_29PM2] 宇宙食と宇宙農業

2014年4月29日(火) 17:15 〜 18:06 312 (3F)

コンビーナ:*片山 直美(名古屋女子大学 家政学部 食物栄養学科)、座長:片山 直美(名古屋女子大学 家政学部 食物栄養学科)

18:00 〜 18:06

[MSD40-P02_PG] 宇宙食における乳酸菌飲料の必要性

ポスター講演3分口頭発表枠

林 嬉乃1、*小林 瑞希1梶原 聡美1脇田 麻里1高瀬 芳美1河合 美佳1片山 直美1 (1.名古屋女子大学)

キーワード:乳酸菌, 飲料, 宇宙食

目的
 宇宙での長期滞在が可能となったことは、今後の宇宙食開発にとって発展がなさ れることに繋がる。水分摂取とともに、整腸作用のある乳酸菌を取ることは、忙しい宇宙船の中での作業の合間であっ ても可能である。腸を健康にすることはホルモンのバランスを整えることにつながる。そこで本研究は、乳酸菌飲料を 摂取することで腸内環境を整え、排便の状態を改善することを目的とした。
方法
 成人女性 20 名(平均年齢 20.5 歳)を被験者とした。この人数を便秘者と非便秘者の2群に分けた。ダブルブラインドクロスオーバーで実験を行った。実験開始前 2 週間の間、排便記録を取った。その後Y社乳酸菌 飲料(カロリー 49%オフ)を 100 度で 3 分間煮沸した飲料と処理しない印理療を用意した。便秘群10名には煮沸した乳酸菌飲料を 2 週間摂取させて排便の状態を記録した。 その後煮沸していない乳酸菌飲料を 2 週間摂取させて排便の状況を記録した。同様に残りの10名に対して、この反対で実験を行った。実験終了後さらに 2 週間排便の状況を記 録した。記録内容は「排便回数」「臭い」「形状」「ガスの回数」であった。
結果
 便秘群では煮沸していない乳酸菌飲料摂取によって排便回数が改善された。非便秘群ではどちらの場合も排便回数には大きな変化は見られなかった。しかし、どちらの群においても、便臭、すっきり度はよくなった。
考察
 便秘群において排便回数が増加したのは、乳酸菌飲料に含まれるオリゴ糖や乳酸によって腸内 細菌の増殖と腸の蠕動運動に刺激が加わり、排便状態が改善された可能性がある。しかし、乳酸菌の摂取をやめると 2 週間で元に戻ってしまうことから、継続した摂取 が必要であると考える。