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[MTT42-P02] サブミクロン局所U-Pb年代分析に向けたレーザーイオン化SNMSの開発
キーワード:U-Pb年代, 質量分析, 局所分析, 同位体分析
ウラン放射壊変系を利用した岩石・化石試料のU-Pb年代分析法は、太陽系の進化や地球史を明らかにする上で必要不可欠な絶対年代情報を与える。特に、ウランを多く含む閉鎖温度の高い鉱物(ジルコンやアパタイトなど)をターゲットにした、2次イオン質量分析計(SIMS)による局所U-Pb年代分析は、地球惑星科学の発展に多大な貢献をしてきた(例えば、Terada and Sano 2012)。しかしながら、1次イオンビーム(酸素イオン)を照射し生成される2次イオン(U+, Pb+)を質量分離するSIMSは、イオン化効率が1%以下と低い事が最大の弱点であった。そこで我々のグループでは、スパッタされた中性原子を、高強度レーザー照射によってポストイオン化することでイオン収量を増加させるレーザーイオン化SNMS(Sputtered Neutral Mass Spectrometry)の開発を行ってきた(Ishihara et al. 2010)。本発表では、サブミクロンスケールの高精度U-Pb年代測定を行うことを目指し、0.1μm径まで絞れるGaイオン源+フェムト秒レーザー+多重周回型Time of Flight(MULTUM II)からなる装置の開発現状について報告する。Pb板の測定においては、1.2×1014 W/cm2のレーザー照射時にイオン化効率を最大で700倍に増加させることに成功した。また2次イオンを多重周回型time-of-flight(TOF)で長時間飛行させることで質量分解能約1万を達成した(従来のセクター型のSIMSでは約5000)。当日は、同システムの特性評価、および天然鉱物試料の測定に向けての課題についても報告する。
参考文献
1) Terada and Sano, Mass Spectrometry, 1, p.A0011 (2012).
2) Ishihara et al., Surf. Interface Anal., 42, 1598-1602 (2010).
参考文献
1) Terada and Sano, Mass Spectrometry, 1, p.A0011 (2012).
2) Ishihara et al., Surf. Interface Anal., 42, 1598-1602 (2010).