[M-TT43_1PM2] インフラサウンド及び関連波動が繋ぐ多圏融合地球物理学の新描像

[MTT43-06] 下層大気で生成される音波が電離圏に与える影響のシミュレーション

*品川 裕之¹ (1.情報通信研究機構)

キーワード：音波, 下層大気, 超高層大気, 電離圏, シミュレーション, モデル

地震、津波、火山、隕石落下、積雲活動、竜巻、台風、大規模爆発、ロケット発射などの突発性大気現象に伴うインフラソニック波や高周波の重力波などによって電離圏の変動が起きることはすでに知られている。しかし、大気圏、電離圏は極めて複雑かつ非線形のシステムであり、さまざまな要因で変動するため、これらの大気波動が具体的・定量的にどのようなメカニズムで電離圏変動を引き起こすのかは依然良く分かっていない。我々はこれまでに非静力学大気圏・電離圏結合モデルを開発し、それを用いて2004年のスマトラ沖地震や2011年の東北沖地震の際に観測された電離圏変動の再現を試みた。その結果、地震に伴って観測された電離圏変動が概ね再現できることがわかった。我々は、このモデルをさらに高精度化・精密化することにより、大気音波の発生・伝搬過程と電離圏変動メカニズムの定量的な解明を目指している。本発表では、これまでの結果と今後の展望について報告する。