日本地球惑星科学連合2014年大会

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[O-03_29AM1] 地球・惑星科学トップセミナー

2014年4月29日(火) 09:45 〜 10:55 メインホール (1F)

コンビーナ:*原 辰彦(建築研究所国際地震工学センター)、山田 耕(早稲田大学政治経済学術院)、横山 広美(東京大学大学院理学系研究科)、座長:山田 耕(早稲田大学政治経済学術院)、横山 広美(東京大学大学院理学系研究科)

10:20 〜 10:55

[O03-02] 日本における最近の火山噴火(レビュー):これまでとこれから

*中田 節也1 (1.東京大学地震研究所)

キーワード:火山噴火, 西之島, 自然の脅威, 噴火の誘発, 富士山, カルデラ噴火

日本では,2013年11月末から,東京の南約1000kmの海上にある西之島で噴火活動が発生し継続中である。この溶岩流出で特徴づけられる西之島火山の活動を始め,毎日のように爆発を繰り返す桜島,300年ぶりに軽石噴火を起した新燃岳,山頂が大きく陥没した三宅島,火砕流が数年以上も発生し続けた雲仙普賢岳など,ここ20,30年には様々なタイプの噴火活動が日本で発生した。火山噴火は,それによって直接被害を受ける一部の人を除いて,現象自身が美しく,噴火活動によって生じた地形や温泉,肥沃な台地などは,人々に恵みをもたらす唯一の自然ハザードである。しかし,インドネシア,チリ等など,太平洋を取り巻く火山のベルト地帯の中で,実は,日本列島の噴火活動はここ数世紀の間,大変低調な状態が続いている。そのような背景の中で2011年3月11日に発生した大地震は,東日本全体に大きな地殻の変動を引き起こした。その結果,地震発生直後には,富士山を含む東日本の複数の火山で,地震活動が活発化などの活動が高まり,噴火が誘発されるのではないかと私たち火山学者の間では緊張が高まった。しかし,3年過ぎた今でも,まだ大地震に誘発されて発生した火山噴火はない。地震発生と火山噴火の関係はいったいどうなっているのか? 本講演では,日本列島の最近の主な火山噴火と外国の火山噴火の例とそれらの研究成果を分かりやすくレヴューする。また,300年間噴火を休止している富士山や過去にカルデラを作った火山において,近い将来,大きな規模の噴火が起こる可能性があるのかどうかについて言及する。