日本地球惑星科学連合2014年大会

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[O-06_30AM1] 日本のジオパーク

2014年4月30日(水) 09:00 〜 10:45 メインホール (1F)

コンビーナ:*渡辺 真人(産業技術総合研究所地質情報研究部門)、住田 達哉(産業技術総合研究所)、座長:渡辺 真人(産業技術総合研究所地質情報研究部門)

10:16 〜 10:41

[O06-04] ガイドの目から見たジオパーク ~土砂災害被災後に思う~

*西谷 香奈1 (1.伊豆大島ジオパーク)

キーワード:ジオパーク, ガイド, 伊豆大島, ネットワーク, 災害, 役割

ガイドとしてジオパークに出会ってから3年半、地球も動植物も人間も全てが関わり合い変化し続ける地球の物語に、魅了されながらガイドを続けてきた。お客様の感性や、不思議を発見する目、知識や、経験がそれぞれ違うため、ツアーは毎回「世界にただひとつの物語」のように感じられた。 今年の10月16日、伊豆大島では台風26号の大雨による土砂災害で、36名の方が亡くなり、3名が行方不明となった。「水はけが良い若い火山の島」「津波や噴火は怖いが洪水は心配ない」と思っていた私たちにとって、想像外の出来事。そしてジオガイドとして語ってきた私自身も「こういう危険があることに気づかなかったこと、被害にあわれた方達に伝えられなかったこと」に、やりきれない思いを感じた。知っていれば、伝えられていれば、無くさないですんだ命があったはずだった。そして、災害前は簡単に語っていた「私たちは火山が作った大地の上に住んでいる」という言葉の奥には、たくさんの悲しみや、大変な思いがあることを実感した。災害に向き合うことがジオパークそのものであると感じている。日頃ジオを学んでいる人の方が、災害後の立ち直りも早いとも感じている。また災害後の様々な取り組みを通し、ジオパークであるからこそ、他地域の災害から学び、感じることができるのだと思うことがたびたびある。伊豆大島では災害1ヶ月後の11月には火山専門家による住民セミナー、2月に島原半島ジオパーク、三陸ジオパーク、そして三宅島から講師を招いて意見交換を実施した。「他地域を知ることにより住民がどう変化したか?」を報告し、ジオパークのネットワークとしての役割を考察する。