日本地球惑星科学連合2014年大会

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口頭発表

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[O-06_30AM2] 日本のジオパーク

2014年4月30日(水) 11:00 〜 12:45 メインホール (1F)

コンビーナ:*渡辺 真人(産業技術総合研究所地質情報研究部門)、住田 達哉(産業技術総合研究所)、座長:目代 邦康(自然保護助成基金)

11:49 〜 12:19

[O06-07] GGN加盟に向けたアポイ岳ジオパークの取組み

*原田 卓見1坂下 一幸1加藤 聡美1新井田 清信1 (1.様似町アポイ岳ジオパーク推進協議会)

キーワード:ガイド, 情報ツール, アイヌの伝統文化, 地域交流, 自然保護活動

2013年、アポイ岳ジオパークは、GGN加盟を目指してJGCに対し推薦の申し出を行ったが、ガイド内容やかんらん岩以外の持ち味の表現不足などの課題が多く見送りとなった。これを受けて推進協議会では、数度の会合を重ねながらその改善方策を検討してきた。ガイド内容の改善については、かんらん岩が地下深くのマントルから現れたというダイナミックさや、それ以外の地形学的現象、高山植物と地質との関連などについて、情報を整理しながらガイド間でその表現手法についての学習を続けている。また、2014年度は、新たな視点を加えた新・ふるさとジオ塾で、新規ガイドの養成と既存ガイドの質の向上を図る予定。難解と指摘された看板やガイドブック等についても計画的な改善を図ることとしており、まずは外目に触れるホームページ、主要看板の内容修正を先行し、新規リーフレットの作成、地図アプリ・ガイドブック等の改訂に取り組んでいくこととしている。歴史文化については、地域に息づいている先住民族アイヌの伝統文化を積極的に紹介するとともに、2015年度を目途に歴史分野の専門員を確保する予定。外国語対応は、ALTを活用しているが2014年度は増員を図り2名体制とし、地域の英語教育の向上とガイドに活用していく。アポイ岳のかんらん岩は、その規模・新鮮さから世界のかんらん岩を代表する存在である。同じかんらん岩を見どころに掲げる地域との交流は、GGNへの貢献という観点からも重要であり、2014年度はその道筋をつけていく予定。アポイ岳ジオパークの原点であるアポイ岳高山植物の保護活動は、自然環境の変化やメンバーの高齢化などにより岐路にある。科学的情報を整理しながら目標の明確化を図るとともに、国の地域おこし協力隊を活用した外部人材の導入や子どもたちへの教育を推進するなど、活動の持続可能性を高めていく。