日本地球惑星科学連合2014年大会

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[O-06_30PO1] 日本のジオパーク

2014年4月30日(水) 18:15 〜 19:30 3階ポスター会場 (3F)

コンビーナ:*渡辺 真人(産業技術総合研究所地質情報研究部門)、住田 達哉(産業技術総合研究所)

18:15 〜 19:30

[O06-P22] 五感で楽しむ「男鹿市ジオパーク学習センター」―地質学的ジオサイトと人の歴史や文化の交流点―

*五十嵐 祐介1菊地 光和2小山田 智子2 (1.男鹿市教育委員会、2.男鹿市ジオパーク学習センター)

キーワード:男鹿市ジオパーク学習センター, 教育, 歴史, 文化

「水にグリーンタフを入れるとシュワシュワするのがおもしろかった」、「噴火の実験もすごくわかりやすかった」「実験を見てこうやってできているんだなあと」・・・。男鹿市ジオパーク学習センターを見学した小学生たちからいただいた手紙の一部である。
男鹿市ジオパーク学習センターは、男鹿半島・大潟ジオパークとして2011年9月に日本ジオパークに登録された翌年の2012年8月にオープンした。
■名  称:男鹿市ジオパーク学習センター
■場  所:秋田県男鹿市角間崎字家ノ下452(男鹿市役所若美庁舎2F)
■利用案内:開館時間―9:00~16:00
      休  館―毎週月曜日(月曜日が国民の祝日にあたる場合はその翌日)
           年末年始
■施設概要:①市町合併により空いた元議会場を再活用し、常設のジオパーク拠点センターとしてリニューアル
      ②男鹿半島・大潟の各ジオサイトまで30分から50分内で行くことができる場所に立地
      ③展示構成は実際の岩石や化石とともに古い地層から順に各ジオサイトをパネルなどで紹介するとともに、男鹿半島・大潟ジオパークを紹介する映像を上映、防災や男鹿市で起こった地震の記録、大地での人類の活動を示す歴史資料など
      ④ガイドが常駐し来館者の目的に合わせて説明するほか、学校などの教育機関が事前に申し込めばジオサイト現地案内を行う
以上のように「学習センターに来館すれば男鹿半島・大潟ジオパークがまるごとわかる」という施設作りをしている。
オープン以来、来館者は、教育機関の団体が半分以上を占め、中でも小学校が多いのが特徴となっている。その他中学、高校、大学の団体利用もある。小学校は、理科教育や防災教育、ふるさと教育などの学習の一貫として、また高校、大学では地質学だけでなくシェールオイルや生涯教育などテーマを決めその学習・研究の場としての来館が多い。同時にジオツアーの最も大きな課題の一つである悪天候時の利用も多くなっている。
このような来館者に対応し、当センターではそれぞれの団体の目的・年齢に合わせた学習素材を用意するほか、現在、五感を生かした体験型・参加型学習にも力を入れている。
実験ブースでは、液状化実験、石の分類などの学習ができるほか、男鹿の石に触れ合うコーナーも設置している。小学校低学年向けにはジオパークに関連する男鹿の伝説を題材にした紙芝居も用意した。また、広く科学に興味を持ってもらおうと小学生の夏休みや冬休み向けに男鹿の石を利用した岩石標本教室や化石レプリカ作り教室も開催している。良い意味での手作り感満載の活動を積極的に推進している。また、同時に地質学的視点だけではなく、人々の歴史活動の記録や体験、文化財等も広く含めた、ストーリーを構築し、「男鹿半島・大潟ジオパーク」に厚みを持たせる活動を行っている。今後は隣接する大潟村干拓博物館などとの連携を強化し、地質学的ジオサイトと人の文化や歴史との連結を図っていくことを進める。
本発表では、当センターの活動の様子や内容を紹介し、今後の展望を紹介したい。