日本地球惑星科学連合2014年大会

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[O-06_30PO1] 日本のジオパーク

2014年4月30日(水) 18:15 〜 19:30 3階ポスター会場 (3F)

コンビーナ:*渡辺 真人(産業技術総合研究所地質情報研究部門)、住田 達哉(産業技術総合研究所)

18:15 〜 19:30

[O06-P28] 災害とジオパーク。台風26号土砂災害後の住民セミナー、および研究支援の取り組み。

*西谷 香奈1加冶屋 秋実1中田 節也2中川 和之3 (1.伊豆大島ジオパーク、2.東京大学地震研究所、3.時事通信社)

キーワード:ジオパーク, 災害, 伊豆大島, 火山, 情報共有, 取り組み

台風26号の土砂災害直後から様々な報道が流れ、情報が入り乱れた。私たちは住民の混乱を避けるために、できる限り早期に住民に対しての情報提供が必要と考えた。また何が起こったのかを住民が理解し、自分たちで考えられる力をつけることも重要と考えた。そこで、伊豆大島で長年火山観測を続けてきた東大地震研究所と伊豆大島ジオパーク推進委員会共催で、災害1ヶ月後の11月17日に、火山を中心とした住民セミナーを開催。160名の住民が参加した。講義内容は以下の通り。

川邊禎久氏(産業技術総合研究所地質調査総合センター)
「伊豆大島火山のなりたち、過去の噴火、元町周辺の地質について。」

森田裕一氏(東京大学地震研究所地震火山噴火予知研究推進センター)
「伊豆大島の地下に蓄積するマグマと体に感じない小さな地震活動の関係。地震計でとらえた土砂災害によると思われる震動について。」

千葉達朗氏(アジア航測株式会社)
「レーザー計測と赤色立体地図でわかった、伊豆大島の地形特に元町周辺の微地形。今回の災害後の4学会合同現地調査団の調査を踏まえ、現地写真を中心に速報的に崩壊発生状況等を紹介。」

中田節也氏(東京大学地震研究所火山噴火予知研究センター、日本ジオパーク委員会委員)
「今回の災害について開始した科学研究費研究の概要説明。ジオパークにおける防災や観光などのあり方について、島原半島、洞爺湖有珠山、霧島ジオパークの活動例を紹介。」

全体コーディネーターは中川和之氏(時事通信解説委員・日本ジオパーク委員会委員)

参加者からは「不安な中でセミナーがありよかった(わかっているだけでも知ることができて良かった)」「専門家に寄り添ってもらい心強い」「大地は生きている、そういう場所に住んでいるのをのを認識した」「自然と共存するために、人間はもっと賢くならなければいけない」「地球ってすごく研究されているんだと感動」という声が聞かれた一方、まだ不安。今どういう状態なのか、今後島がどうなるのか知りたい」「災害が起きた時の対処法や心構えを講義してほしい」という声もあった。

また、このセミナー開催がきっかけとなり、研究者が大島に入ったときの窓口をジオパークが担当するという、研究支援の窓口が作られた。ここでは外からの研究者が調査研究を行いやすいよう情報提供、人物紹介、届け出、広報などの手伝いを行い、研究結果を住民に還元してもらうという仕組みである。

ポスターでは、住民セミナーのまとめとともに、研究支援についての詳細を報告する。