18:15 〜 19:30
[O06-P39] 糸魚川旧市街を中心としたミニジオツーリズム
キーワード:まち歩き, 駅前商店街, 連携, 北陸新幹線
糸魚川ジオパークの玄関口の一つ糸魚川駅は旧市街地の中心部にある。駅の北側には古くからの商店街が形成されている。しかし、かつての賑わいはなく、休日も歩く人はまばらである。これは、地方都市の商店街が抱える以下のような原因が考えられる。市民の買い物先が郊外の大型店へ移り、鉄道やバスなどの公共交通機関を使わないマイカー利用者が増え、さらに、個人商店の後継者不足や商店街へのお客が減ったことによる営業努力意欲の衰退などがあげられる。2009年の世界ジオパーク認定を契機に、さらなる旧市街の商店街活性化の取り組みがすすめられており、あわせて2015年3月の北陸新幹線糸魚川駅開業に向けた駅前の再開発がすすめられている。ここでは、街なかのジオツーリズムの導入によって、来訪者が旧市街を回遊して滞留時間をのばすことで旧市街地活性化を狙う取り組みを紹介する。旧市街地の中心部は、通称「ロの字」と呼ばれ、糸魚川駅を南東端とするほぼ南北方向と東西方向の道路に囲まれた地域であり商店が集中する。夏祭りや他のイベントなどは、「ロの字」を使って行われている。糸魚川駅に隣接した施設には、ジオパークを案内する観光案内所がある。駅周辺の旧市街には、古事記に登場する奴奈川姫の像、越後と信州を結んだ古道・塩の道の起点、県史跡相馬御風宅、加賀の井酒造、明治から大正時代にかけて作られたレンガ塀、国登録文化財旧高野写真館などの歴史的な見どころが点在しており、一部に残る雁木通りは雪国の風情を感じさせてくれる。雁木通り沿いには懐かしい古い建築物もあり、現代化されたショッピングモールにはない味わいが残っている。また、ジオパーク的な視点からは、由緒ある神社やお寺の石垣、石像、石蔵、歌碑など石と歴史・文化に関係したもの、原地形を反映した坂、古城址や掘跡、砂丘、掘削河川、消雪パイプ、消波ブロックなど天然と人工の土地改変に起因したものなどがある。これらは、旧市街の発展を物語る重要な素材である。これらの素材を利用した取り組みとして以下のようなものがある。「糸魚川街なかコレクション」は、2006年から毎年行われているイベントで2013年で8回を数える。イベントの知名度が向上し、2013年のガイド付のまち歩きツアーは多くの参加者が雁木の街並を楽しんだ。
「個店の魅力アップ女性の会(通称:街なか女子部)」は、新幹線開業に向けてまちを盛り上げようと、商店街で働く女性50人で2010年に結成された。上記街なかコレクションに合わせて、限定スイーツを販売したり、駅前周辺イベントに参加するなど活動は活発で、駅前の盛り上げに貢献している。糸魚川ジオパーク協議会では、まち歩きを行う人のために、通年利用できるまち歩きマップを作成した。内容は、駅前周辺の見どころのほか、特徴的な商品を販売している店舗を紹介している。女性視点で作られたリーフレットは利用者の評価も高い。
JR大糸線と北陸本線の結節点である糸魚川駅では、待ち時間にまち歩きを希望する人がいるのではないか、との仮定の下、ジオパークガイドが案内するまち歩きツアーを試行した。2012年10月から11月の10日間実施し、利用者は8人であった。利用者の内訳は女性のみで、いずれも事前情報は持っていなかったが、電車の待ち時間があり観光案内所に寄ったところ、まち歩きを紹介され、利用したパターンであった。ガイドの主なポイントは、展望台、雁木通り、加賀の井酒造などで、立ち寄った商店で商品の由来や特徴を紹介すると、みやげにと購入した人もいた。他にもガイドは利用しなかったが、まち歩きのリーフレットを紹介すると、手にとってまち歩きに向かった人もいた。JR糸魚川駅からの二次交通として、2011年から土日祝日に限り「糸魚川街めぐりバス」が運行されている。駅を発着点として約40分で周辺の施設を巡るバスである。主な立ち寄り施設として、糸魚川ジオパークのインフォメーションセンターであるフォッサマグナミュージアム、国指定史跡長者ケ原遺跡のガイダンス施設である長者ケ原考古館、相馬御風の収集資料を展示する糸魚川歴史民俗資料館があげられる。これらは、糸魚川ジオパークを語る上では必要不可欠な施設であり、当地を訪れるジオツーリストにとって重要な交通手段となっている。2013年からは1日乗り放題プランやJR西日本が発行する北陸おでかけパス利用者の運賃無料化などに取り組み、前年の利用者を上回っている。旧市街には見どころが多く存在するが、その存在は人々に見落とされがちである。また、イベント時以外の集客力が弱い。当地の良さを知ってもらうためには、情報発信に努めるとともにおもてなしの心を持ってお客を迎える心の醸成に取り組むことも必要である。北陸新幹線開業という機会を逃さず、来訪者数増加につながる仕組みを作っていきたい。
「個店の魅力アップ女性の会(通称:街なか女子部)」は、新幹線開業に向けてまちを盛り上げようと、商店街で働く女性50人で2010年に結成された。上記街なかコレクションに合わせて、限定スイーツを販売したり、駅前周辺イベントに参加するなど活動は活発で、駅前の盛り上げに貢献している。糸魚川ジオパーク協議会では、まち歩きを行う人のために、通年利用できるまち歩きマップを作成した。内容は、駅前周辺の見どころのほか、特徴的な商品を販売している店舗を紹介している。女性視点で作られたリーフレットは利用者の評価も高い。
JR大糸線と北陸本線の結節点である糸魚川駅では、待ち時間にまち歩きを希望する人がいるのではないか、との仮定の下、ジオパークガイドが案内するまち歩きツアーを試行した。2012年10月から11月の10日間実施し、利用者は8人であった。利用者の内訳は女性のみで、いずれも事前情報は持っていなかったが、電車の待ち時間があり観光案内所に寄ったところ、まち歩きを紹介され、利用したパターンであった。ガイドの主なポイントは、展望台、雁木通り、加賀の井酒造などで、立ち寄った商店で商品の由来や特徴を紹介すると、みやげにと購入した人もいた。他にもガイドは利用しなかったが、まち歩きのリーフレットを紹介すると、手にとってまち歩きに向かった人もいた。JR糸魚川駅からの二次交通として、2011年から土日祝日に限り「糸魚川街めぐりバス」が運行されている。駅を発着点として約40分で周辺の施設を巡るバスである。主な立ち寄り施設として、糸魚川ジオパークのインフォメーションセンターであるフォッサマグナミュージアム、国指定史跡長者ケ原遺跡のガイダンス施設である長者ケ原考古館、相馬御風の収集資料を展示する糸魚川歴史民俗資料館があげられる。これらは、糸魚川ジオパークを語る上では必要不可欠な施設であり、当地を訪れるジオツーリストにとって重要な交通手段となっている。2013年からは1日乗り放題プランやJR西日本が発行する北陸おでかけパス利用者の運賃無料化などに取り組み、前年の利用者を上回っている。旧市街には見どころが多く存在するが、その存在は人々に見落とされがちである。また、イベント時以外の集客力が弱い。当地の良さを知ってもらうためには、情報発信に努めるとともにおもてなしの心を持ってお客を迎える心の醸成に取り組むことも必要である。北陸新幹線開業という機会を逃さず、来訪者数増加につながる仕組みを作っていきたい。