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[PCG38-10] 太陽観測衛星ひのでの2012年金星日面通過中の観測から導出された金星高々度大気中の雲粒分布の研究
キーワード:惑星大気, 金星日面通過
太陽観測衛星「ひので」は2012年6月5日から6日に金星日面通過を観測した。可視光磁場望遠鏡は、明るい太陽面上を移動する28.9 arcsecの暗い金星ディスクを218arcsec x 109arcsecの視野内において連続的に観測した。観測は、388.3、396.8、430.5、450.4、555.0、668.4nmの波長の干渉フィルターを用いて0.3 arcsecと未だ嘗て無く高い空間分解で行われた。撮像された明るい太陽面に対する金星ディスク画像のリムにおける太陽光強度変化から、雲上端部分に当たる75kmから100kmまでの領域において、太陽光を吸収、散乱するヘイズや大気中のSO2、SO等の分子の垂直方向、緯度方向の分布を導出と、その全球的な運動の考察が目的である。可視光磁場望遠鏡が、430.5nmの波長において透過率0.5 (高度約90km程度) を観測した金星大気高度の緯度方向の分布は、極域よりも赤道域の方が高い。この差は朝側で6.1km、夕側で9.1kmと夕側の方が大きい。緯度40度より赤道側では、水平方向に1000km程度のスケールで変動が見られ、昼側の方が変動幅は大きい。波長388.3nm及び396.8nmで観測された透過率0.5の大気高度でも、G-bandの観測と比較して同じ緯度に変動が見られるが、変動幅は2倍から3倍程度である。これらの結果について、考察を行う。