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[PCG38-11] SPART望遠鏡による金星・火星中層大気のミリ波観測
キーワード:惑星, 太陽活動, 電波望遠鏡, ヘテロダイン分光, 中層大気, リモートセンシング
我々は、地球型惑星の中層大気が中心星の活動によってどのような影響を受けるのかを調べるため、国立天文台野辺山宇宙電波観測所の主鏡10mの電波望遠鏡を改良し、 金星や火星の中層大気微量分子スペクトルの監視プロジェクトSPART (Solar Planetary Atmosphere Research Telescope)を推進している。観測は2011年度より開始したが、2012年度はギアやモータ、シンクロモーターのセンサー信号をAD変換するSDコンバータユニットが故障し、2013年度にはこれらの修復を行った。また今季からは、100GHz帯SIS超伝導受信機に加えて、200GHz帯のSIS受信機も実装し、2バンドでのフルリモートオペレーションを可能にした。異なる励起状態や同位体のスペクトルを抑えることで解析・物理量導出の確度向上を図ることが可能になる。さらに今季は、金星の視直径が200GHz帯のビームサイズ(35 arcsec.)を超える期間が続くため、SPARTではOn-the-Flyマッピング観測モードを導入し、金星ディスク全体の中層大気中の一酸化炭素量変動を抑えられるようにしている。現在、動作試験含め、12CO J=2-1: 230 GHz、13CO J=2-1: 220 GHz、12CO J=1-0: 115 GHzなどのモニタリング観測を進めている。本講演では、これらの進捗について報告する。