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[PCG38-P14] LWA1で観測された木星電波のデータ解析
キーワード:木星電波, デカメートル波, データ解析, 電波源, 電波放射機構, LWA1
木星電波は1955年に発見されて以来、多くの観測が行われ研究されてきたが、その電波放射機構は完全に解明されていない。この木星電波を解析するにあたって良く使われる手法として、時間経過による各周波数成分の強度変動を表すダイナミックスペクトラム解析がある。この低周波宇宙電波のダイナミックスペクトラム解析において、世界最高レベルの感度を持つLWA1は、ニューメキシコ大学のグループにより建設された低周波宇宙電波の研究を目的とするアレイアンテナである。LWA1は、256基のアレイアンテナで構成されており、右回りと左回りの偏波を観測可能とするため、広帯域な2系統のアクティブ・ダイポールアンテナで構成され、受信したアナログ信号は超高速サンプリングによりディジタル化されてデータ処理の後、アーカイブされている。
我々は、木星電波の放射機構を解明するために、LWA1で観測されたデータをデータ解析言語であるIDLによって解析を行っている。観測されたダイナミックスペクトラムデータは、天文分野でよく用いられるFITSファイルでアーカイブされている。我々が作成したIDLのプログラムは、自動的にカレントディレクトリ内のFITSファイルを探索し、ヘッダの情報を読み取ることができ、自動的に時系列順に並び替えて、配列数・時間軸・周波数軸をヘッダからの情報をもとにダイナミックスペクトラムを生成することができる。また、作成したIDLプログラムにより、任意の時間の周波数や強度を抽出や、時間分解能が大きいデータに関しては拡大処理することも可能で、右回り・左回り偏波成分を独立に抽出することも可能である。
今回解析した木星電波のIo-C電波源のデータのダイナミックスペクトラムでは、LWA1の22MHzから28MHzの観測周波数帯で、モジュレーションレーンの縞状構造を明瞭に確認することができた。また、右回り偏波と左回り偏波のダイナミックスペクトラム上で、モジュレーションレーンの縞状構造がつながっていることから、同じ磁極側で放射された電波であることが推定された。今後、LWA1で観測された多くの木星電波のデータの解析をこの手法で行うことにより、木星電波の放射モードを特定する上で極めて重要な情報を得ることができると我々は考えている。
我々は、木星電波の放射機構を解明するために、LWA1で観測されたデータをデータ解析言語であるIDLによって解析を行っている。観測されたダイナミックスペクトラムデータは、天文分野でよく用いられるFITSファイルでアーカイブされている。我々が作成したIDLのプログラムは、自動的にカレントディレクトリ内のFITSファイルを探索し、ヘッダの情報を読み取ることができ、自動的に時系列順に並び替えて、配列数・時間軸・周波数軸をヘッダからの情報をもとにダイナミックスペクトラムを生成することができる。また、作成したIDLプログラムにより、任意の時間の周波数や強度を抽出や、時間分解能が大きいデータに関しては拡大処理することも可能で、右回り・左回り偏波成分を独立に抽出することも可能である。
今回解析した木星電波のIo-C電波源のデータのダイナミックスペクトラムでは、LWA1の22MHzから28MHzの観測周波数帯で、モジュレーションレーンの縞状構造を明瞭に確認することができた。また、右回り偏波と左回り偏波のダイナミックスペクトラム上で、モジュレーションレーンの縞状構造がつながっていることから、同じ磁極側で放射された電波であることが推定された。今後、LWA1で観測された多くの木星電波のデータの解析をこの手法で行うことにより、木星電波の放射モードを特定する上で極めて重要な情報を得ることができると我々は考えている。