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[PEM08-P04] 宇宙放射線によるあけぼの太陽電池劣化と温度変動の効果
キーワード:あけぼの衛星, プロトン放射線帯
衛星の太陽電池は、宇宙空間の放射線などにより劣化し出力が低下していく。今までの研究から、あけぼの衛星の太陽電池出力の低下は、衛星が浴びる放射線帯プロトンのフラックス量と、良く対応していることが確認されてきた。その対応関係を利用して、プロトン放射線帯の中心部を含めたフラックスの分布のモニターとして利用できることが示されてきた。このプロトン放射線帯との関連は、衛星打ち上げの1989年から1996年まで追跡可能であるが、その後は、対応関係は判然とはしていない。今までの研究からは、劣化が進行した結果として、温度変動の効果がより顕著に現れるようになったことがその原因であると、推測されている。放射線帯のモニターとしての利用をより推し進めるためには、この温度効果を定量的に把握し、放射線だけによる変動を精度よく抽出することが必要である。残念ながら太陽電池の温度センサーは1991年に異常となり、それ以降は太陽電池の温度を直接に知ることはできない。そこで、本研究では1989年から1991年までのデータを使い、衛星の他の表面部位の温度から、太陽電池の温度を推定・算出することを試みている。ここで確立された手法により、直接測定された太陽電池温度が存在しない1991年以降において、推定・算出された温度と太陽電池出力値を対応させ、その対応関係の経年変化から、放射線帯プロトンフラックスによる劣化成分を抽出する試みを報告する。