日本地球惑星科学連合2014年大会

講演情報

インターナショナルセッション(ポスター発表)

セッション記号 P (宇宙惑星科学) » P-EM 太陽地球系科学・宇宙電磁気学・宇宙環境

[P-EM08_2PO1] Space Weather and Space Climate

2014年5月2日(金) 16:15 〜 17:30 3階ポスター会場 (3F)

コンビーナ:*片岡 龍峰(国立極地研究所)、海老原 祐輔(京都大学生存圏研究所)、草野 完也(名古屋大学太陽地球環境研究所)、清水 敏文(宇宙航空研究開発機構宇宙科学研究所)、三好 由純(名古屋大学太陽地球環境研究所)、浅井 歩(京都大学宇宙総合学研究ユニット)、佐藤 達彦(日本原子力研究開発機構)、陣 英克(情報通信研究機構)、伊藤 公紀(横浜国立大学大学院工学研究院)、宮原 ひろ子(武蔵野美術大学造形学部)

16:15 〜 17:30

[PEM08-P05] ビッグデータ分析手法を用いた宇宙天気予報アルゴリズムの開発

*羽田 裕子1村主 崇行1柴山 拓也1磯部 洋明1根本 茂2柴田 一成1 (1.京都大学、2.株式会社ブロードバンドタワー)

キーワード:宇宙天気, 太陽フレア, 活動領域, SDO/AIA, SDO/HMI, GOES

太陽フレアやコロナ質量放出の発生を予測・予報をする上で、それを全自動化する事は宇宙天気予報研究における大きな目標の1つである。例えば、黒点の形状などから観測される物理量とフレア発生の相関から経験則を導くものなどがあり、今日まで様々な予測研究がなされている。それらには常に人手の介入を必要としてきた。
近年、技術の発展と共に衛星や観測機器の精度が上がり、観測データは飛躍的に増大しているため、全データを人間が直接見る事は不可能になってきている。一方で、情報処理技術の分野ではいわゆるビッグデータ解析が急速に発展しており、並列分散処理による大量の非構造データの処理や機械学習の手法が社会の様々な分野で広く利用されるようになってきた。そこで我々は、このような大容量データを余す事なく宇宙天気予報研究に利用できるよう、完全に自動化されたフレア予測実現を目指す研究を始めた。具体的には、GOES衛星(Geostationary Operational Environmental Satellite)によるX線フラックスの、現時点から24時間未来までの最大値を予測する事を目標とした。
 まず、GOESの過去のデータとSDO(Solar Dynamics Observatory)による全球磁場データ(Helioseismic and Magnetic Imager: HMI)から、GOESのX線フラックスを予測する研究を進め、HSS(Heidke Skill Score)とTSS(True Skill Statistic)を用いてフレア予測精度を評価した(図参照)。次に、GOESとHMIを合わせたデータに、SDOに搭載されているAIA(Atmospheric Imaging Assembly)によって観測された極端紫外線データ(波長:193Å)を加えた場合についても同様に予測精度を評価した。
 AIAによるデータを加えた理由は2つである。1つ目は、SOHO(Solar and Heliospheric Observatory)による極端紫外線全球画像データを使ったフレア予測研究によれば、活動領域の極端紫外線画像の閾値つき積分が、活動領域ごとのフレア活動度の良い指標になっているという結果が得られているからである。2つ目は、太陽のリムで起こるフレアの前兆現象は磁場データでは捉えられないので、リムフレアを観測できるAIAのデータを加えることで予測精度が上がると期待されるからである。
 比較の結果、AIAの全球積分値をデータセットに加えることで、特にXクラスフレアの予測精度が向上する事が分かった。本発表では、さらにAIA画像の閾値付き積分値などをデータセットに加えてフレア予測を行い、その結果を報告する。本研究は、株式会社ブロードバンドタワーとの共同研究である。