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[PEM27-01] マイクロType-III電波と外部コロナ域
キーワード:マイクロタイプIII バースト, 外部コロナ, 太陽電波, 惑星間空間, 内部陽圏
我々は、Type-III型太陽電波の亜種としてマイクロType-III (μT-III)電波と称されるべき電波が存在する事を示した(Morioka et al., 2007, ApJ)。この電波は通常のフレアに伴うType-III型電波に比べて、強度、頻発性、強度対発生頻度特性、スペクトル構造が明らかに異なり、電波放射をおこす電子ビームの発生源が異なることを示している。今回、このμT-IIIの特性をさらに詳しく調べるとともに、その特性から外部コロナ域の探測を試みる。得られた特性の主なものは、1.太陽活動に対する出現特性は、heliospheric current sheet (HCS) の緯度分布変化と良い相関を示す。このことは、μT-IIIの発生域がコロナホール近傍のstreamerの出現と深く関係していることを示唆する。2.頻発するμT-IIIのグループ(継続時間:数日~10日)はグループ毎に一定の下限周波数をもち、かつその下限周波数の分布は統計的に200 kHz付近で最大となり100 kHzを下ることはない。このことはμT-IIIを励起する電子ビームは、ある高度までは進めるが、fp=100 kHzの高度(およそ50 Rs)より先には進めない事を示している。3.この下限周波数の分布は太陽活動依存性を示し、活動期にはより低い周波数(~100 kHz) まで伸びる。このことは、streamerのプラズマ圧の太陽活動依存を示唆しているかも知れない。4.コロナ-惑星関空間のプラズマ密度分布を仮定することにより、μT-IIIの周波数トレースから電波が放射されている磁力線形状を推定することが出来る。その結果、太陽面から開き角±10-15°, apex距離 20-30 Rsの磁力線が導出された。太陽面上に孤立したactive regionが現れた時のこの磁場形状とSTEREO衛星によるstreamer観測とを照合すると、streamerを取り囲むようにμT-III磁力線が張り出している様子が推定された。