日本地球惑星科学連合2014年大会

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口頭発表

セッション記号 P (宇宙惑星科学) » P-EM 太陽地球系科学・宇宙電磁気学・宇宙環境

[P-EM27_1PM2] 太陽圏・惑星間空間

2014年5月1日(木) 16:15 〜 18:00 421 (4F)

コンビーナ:*徳丸 宗利(名古屋大学太陽地球環境研究所)、中川 朋子(東北工業大学工学部情報通信工学科)、座長:徳丸 宗利(名古屋大学太陽地球環境研究所)

17:00 〜 17:15

[PEM27-04] アイソン彗星 (C/2012 S1) のプラズマテイルは惑星間空間シンチレーションを引き起こしたか?

*伊集 朝哉1阿部 新助2徳丸 宗利3 (1.名大・理学・素粒子宇宙物理、2.日大・理工・航空宇宙工学、3.名古屋大学太陽地球環境研究所)

キーワード:アイソン彗星 (C/2012 S1), 彗星プラズマテイル, 電波シンチレーション

C/2012 S1 (ISON) (以下アイソン彗星)は、2013年11月28日の近日点通過までの間に0.1天文単位以上に発達したプラズマテイルを見せた。プラズマテイルは、彗星核から噴出して電離したガスが太陽からのプラズマ流(太陽風)と相互作用して太陽と反対の方向にたなびいたものである。今回我々は、惑星間空間シンチレーション(IPS)データを用いてアイソン彗星のプラズマテイルを調査した。IPSは、太陽風のプラズマ密度ゆらぎによる電波の散乱現象であり、コロナ質量放出(CME)のような惑星間擾乱がIPSの突発的増加を引き起こすことが良く知られている。彗星のプラズマテイルもIPS増加の原因になりうると予想されており、これまでに複数の研究者によってC/1973 E1 (Kohoutek) や1P/Halleyなどを対象に調査が行われた (e.g. Ananthakrishnan et al., 1975, 1987; Slee et al., 1987; Abe et al., 1997; Roy et al., 2007) 。しかしながら、現在のところ彗星プラズマテイルによるIPS について確定的な結論は得られていない。我々は、11月1日から28日までの期間にアイソン彗星のプラズマテイルに接近した電波天体を特定し、名古屋大学太陽地球環境研究所のSolar Wind Imaging Facility (Tokumaru et al., 2011)で取得したIPS観測データを解析した。その結果、プラズマテイル由来のIPSの可能性があるシンチレーション指数の増加を4例確認した。本発表では、これら4例の初期観測成果を報告し、彗星プラズマテイルによるIPSについて議論する。