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[PEM28-07] プロトンオーロラ・電子オーロラサブストーム総合モデルの構築に向けて: 昭和基地地上観測
キーワード:オーロラ, サブストーム, 地上光学観測, 昭和基地
極地研では、南極地域観測第Ⅷ期6ヵ年計画の下、昭和基地でのオーロラ光学観測システムの整備を進めている。「モニタリング観測」機器としては、(1)全天単色デジタルCCDイメージャ4式(427.8, 557.7, 485.0, 481.0nm)と(2)全天カラーデジタルカメラ、「一般研究観測」機器としては、(1)全天TVカメラと(2)8色掃天フォトメータ、の導入を進めてきた。2014年のシーズンには、電子オーロラ2波長(427.8, 557.7nm)とプロトンオーロラ2波長(481.0, 485.0nm)の全天CCDイメージャ4式による同時観測が実現出来ているので、その初期結果を中心に報告する。上記4式のイメージャの撮像間隔は15秒で共通にし、同じ時間分解能で電子オーロラとプロトンオーロラの空間分布を観測することを目的としている。微弱なプロトンオーロラを観測するため、プロトンイメージャについては、元々512x512の画素数のCCD出力に対し8x8のビンニングを行い、空間解像度を64x64に落としている。 8色掃天フォトメータの波長構成(中心波長(半値幅))は、482.5(0.6), 483.5(0.6), 484.5(0.6), 485.5(0.6), 486.5(0.6), 487.5(0.6),670.5(5.0), 844.6(0.6) nmで、プロトンオーロラ(Hβ)のスペクトル用6波長と電子オーロラ用2波長からなる。掃天速度は180度/10秒で、サンプリング速度は20Hzである。 こうした全天イメージャと掃天フォトメータの電子オーロラ、プロトンオーロラ同時観測データにより、降下電子や降下プロトンのエネルギー情報も含んだ、オーロラサブストーム発達過程の総合的なモデルを構築するすることが1つの目標となる。目標としているモデルの概要についても紹介する予定である。