日本地球惑星科学連合2014年大会

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口頭発表

セッション記号 P (宇宙惑星科学) » P-EM 太陽地球系科学・宇宙電磁気学・宇宙環境

[P-EM33_1AM2] プラズマ宇宙:観測・実験の計画・手法,装置開発,プラズマ計測

2014年5月1日(木) 11:00 〜 12:45 503 (5F)

コンビーナ:*松清 修一(九州大学大学院総合理工学研究院流体環境理工学部門)、杉山 徹(独立行政法人海洋研究開発機構 地球シミュレータセンター)、座長:坪内 健(東京工業大学大学院理工学研究科)

11:15 〜 11:30

[PEM33-08] 荷電粒子ビーム放出を用いた衛星帯電制御の数値シミュレーション

*星 賢人1村中 崇信2小嶋 浩嗣3臼井 英之4篠原 育5山川 宏3 (1.京都大学大学院工学研究科、2.中京大学工学部電気電子工学科、3.京都大学生存圏研究所、4.神戸大学大学院システム情報学研究科、5.宇宙航空研究開発機構/宇宙科学研究所)

キーワード:衛星帯電, 宇宙機帯電, 荷電粒子ビーム

宇宙空間を飛行する人工衛星は、周辺のプラズマにより自然と帯電してしまうことが知られている。衛星表面での帯電は放電を引き起こす一因となり搭載電子機器の故障につながると共に、衛星の電位自体が背景プラズマを加速してしまうことで、計測にも悪影響を及ぼす。そのため、通常は可能な限り帯電を抑制するように設計が行われるが、完全に帯電を抑えることは難しい。そこで電子エミッタ・イオンエミッタを用いて衛星の帯電を緩和することで、計測結果への帯電の影響を抑える手法がよく用いられている。人工衛星の帯電は周辺のプラズマ中のイオンや電子が衛星表面に衝突することで起こり、一般に衛星表面の電位は流入してくる電流と流出していく電流の平衡を与える点で定まる。イオン電流・電子電流・光電子電流・二次電子電流などの平衡から、日照時には一般に正に帯電し、日陰時には負に帯電する。エミッタ装置を用いて強制的に衛星から電流を流すことで、この平衡点を任意にずらし、衛星の電位を制御することが可能である。本研究では、数値シミュレーションを用いて、様々なパラメータの下での衛星の帯電制御について検討を行った結果について報告し、どのような状況であれば任意の帯電制御が可能なのかを明らかにする。