[P-EM34_1PM1] プラズマ宇宙：星間・惑星間空間，磁気圏

[PEM34-05] 木星磁気圏界面位置の太陽風動圧依存性

*北川 普崇¹、笠原 慧²、垰 千尋³、木村 智樹²、藤本 正樹² (1.東京大学理学系研究科地球惑星科学専攻、2.宇宙航空研究開発機構　宇宙科学研究所、3.Institut de Recherche en Astrophysique et Planetologie)

キーワード：木星磁気圏界面, 太陽風動圧

木星磁気圏は太陽風動圧の変動により大きくその大きさを変化させると考えられている．これは磁気圏界面の前面の中心からの距離の頻度分布は2こぶであると観測されていることによる．頻度分布の2こぶの間の確率は非常に小さく，木星磁気圏の大きさは太陽風動圧の大きさでどちらかの状態に分かれると考えられている．しかしその一方で木星磁気圏界面位置の太陽風動圧依存性は位置を分けるような様相を示していない．ただしその解析では磁気圏内の磁気圧で考察されており，太陽風動圧そのものではない．その解析で磁気圧を用いていたのは木星軌道において太陽風観測点が存在しない為である．そこで我々は，MHDシミュレーションを用いて地球近傍の太陽風パラメタを木星軌道まで伝播させる事により，木星磁気圏界面位置の太陽風動圧依存性を解析し，2こぶ分布の説明を目指した．本研究では，Galileo衛星のデータを太陽風動圧とともに解析した．その結果2こぶのピークは太陽風動圧の頻度分布を反映したものである可能性が高いと分かった．2状態に分かれるような分布の形状はGalileo衛星の磁気圏界面を通過する時期の太陽風動圧の頻度分布がゆがんでいることに起因している可能性が考えられると分かった．