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[PEM36-17] ISS-IMAPと地上イメージャとの同時観測による大気光構造の解析
キーワード:大気光, プラズマ・バブル, ISS-IMAP
ISS-IMAPとハワイ全天イメージャの同時観測により大気重力波の空間構造の解析を行った。水平波長が10km?100kmの中間圏・熱圏における大気重力波については多くの地上観測がなされてきているが、全経度域において水平スケール100 km以上の大気重力波を観測することを目的として、2012年7月21日にISS-IMAP が打ち上げられた。国際宇宙ステーション(ISS)の軌道高度は約400 km、軌道傾斜角は51.6度である。ISS-IMAPの可視・近赤外分光観測装置(VISI)は大気光の撮像を行っており、その空間分解能は10 km?25 kmである。本研究では、ハワイ(20.48度N、156.2度W)の全天イメージャのデータと、ISS-IMAP/VISIのデータを用いて、大気重力波の空間構造を解析した。VISIの観測波長は630 nm、730 nmと762 nmであり、ハワイ全天イメージャの観測波長は630 nmと、557.7 nmで、5.5分の時間分解能で得られる。両観測から得られる630 nm大気光構造の比較と、高度95 km付近で発光する全天イメージャから得られる557.7 nm大気光構造とISS-IMAP/VISIから得られる762 nm大気光とについて、VISIがハワイの上空を通過し、かつ、地上観測点上空が晴れの日のデータの比較を行った。その結果、ハワイ全天イメージャでプラズマ・バブルが観測された時刻において、VISIでも630 nmでプラズマ・バブルが観測され、両観測の比較により、空間スケール及び鉛直構造を解析した。また、プラズマ・バブルを利用して全天イメージャとVISIの輝度比較を行い、VISIの観測感度校正を行った。発表では大気重力波の構造の空間スケールについても報告する。