18:15 〜 19:30
[PEM36-P05] カリウム共鳴散乱ライダー用ドップラーフリー飽和吸収分光実験
キーワード:南極, ライダー, カリウム, 共鳴散乱, ドップラーフリー
国立極地研究所は、6年間のプロジェクトとして第Ⅷ期重点研究観測「南極域から探る地球温暖化」を2010年より推進している。中層・超高層大気観測研究は、その中のサブテーマIに位置付けられており、これまでに継続観測してきたレーダー・光学観測機器に、第Ⅷ期で新たに開発・導入が進められている大型のレーダーやライダーなどの測器を加え、地表から超高層大気にいたる大気の変動をとらえる計画である。波長可変共鳴散乱ライダーは、このプロジェクトの一環として昭和基地(69 S, 36 E)への導入を目指して開発が進められている。
送信系には波長可変レーザのアレキサンドライト・レーザを用いており、基本波の発振領域768-788 nmと第2高調波(384-394 nm)とあわせてMLT領域の複数の共鳴散乱原子をターゲットにする。現在は770 nmのカリウム原子観測の準備をしており、既に2013年1月28日には国立極地研究所(36 N, 139 E)にてカリウム原子層の初観測に成功した。カリウムライダーとして密度観測のみならず温度観測を可能にするには、インジェクションシーディングによるスペクトル幅の狭帯域化と同時にシーダーの絶対波長モニターが必須である。そこで極地研究所で、カリウムセルを内蔵したToptica製のドップラーフリー飽和吸収分光装置システムを用いて絶対波長計測を行った。シーダーの波長を変化させ、飽和吸収分光装置を用いてカリウムセルを通過するシーダー透過光の強度をモニターし、共鳴散乱による減少量から吸収線を計測し絶対波長と対応させた。十分にシステムが安定化した後、波長スキャン範囲、ゲイン設定などの値の最適値を決定し、波長スキャン幅約5fm(0.005pm)で吸収線計測を行った。結果、約50fm(0.05pm)の間隔で存在する3本のクロスオーバー吸収線が明確に検出された。本講演ではこの実験の詳細を発表する。
送信系には波長可変レーザのアレキサンドライト・レーザを用いており、基本波の発振領域768-788 nmと第2高調波(384-394 nm)とあわせてMLT領域の複数の共鳴散乱原子をターゲットにする。現在は770 nmのカリウム原子観測の準備をしており、既に2013年1月28日には国立極地研究所(36 N, 139 E)にてカリウム原子層の初観測に成功した。カリウムライダーとして密度観測のみならず温度観測を可能にするには、インジェクションシーディングによるスペクトル幅の狭帯域化と同時にシーダーの絶対波長モニターが必須である。そこで極地研究所で、カリウムセルを内蔵したToptica製のドップラーフリー飽和吸収分光装置システムを用いて絶対波長計測を行った。シーダーの波長を変化させ、飽和吸収分光装置を用いてカリウムセルを通過するシーダー透過光の強度をモニターし、共鳴散乱による減少量から吸収線を計測し絶対波長と対応させた。十分にシステムが安定化した後、波長スキャン範囲、ゲイン設定などの値の最適値を決定し、波長スキャン幅約5fm(0.005pm)で吸収線計測を行った。結果、約50fm(0.05pm)の間隔で存在する3本のクロスオーバー吸収線が明確に検出された。本講演ではこの実験の詳細を発表する。