日本地球惑星科学連合2014年大会

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セッション記号 P (宇宙惑星科学) » P-EM 太陽地球系科学・宇宙電磁気学・宇宙環境

[P-EM36_28PO1] 大気圏・電離圏

2014年4月28日(月) 18:15 〜 19:30 3階ポスター会場 (3F)

コンビーナ:*大塚 雄一(名古屋大学太陽地球環境研究所)、津川 卓也(情報通信研究機構)、川村 誠治(独立行政法人 情報通信研究機構)

18:15 〜 19:30

[PEM36-P24] GPS+QZSS+BeiDouによるTEC観測

*衣笠 菜月1高橋 冨士信1 (1.横浜国立大学)

キーワード:電離層全電子数, 準天頂衛星, BeiDou, GPS, 電離圏, プラズマ圏

TEC (total electron content) 観測手法はいくつか存在するが、GPS (global positioning system) などのGNSS (global navigation satellite system) を利用する方法がある。GNSSは地球上のどこからでも利用可能なシステムであるのに対し、特定の地域をカバーするRNSS (regional navigation satellite system) が近年日本や中国で開発されてきている。我々はRNSSを利用した観測に取り組んでいる。

RNSSによるTEC観測の特徴として、1衛星当たりの連続追尾時間が長いことから、安定的な観測が行える点が挙げられる。また、GNSSと比較して軌道高度が高いことから、より広範囲のプラズマ圏領域の議論が可能になる。一方、RNSS単独での観測の欠点としては、衛星ー受信機の視線ベクトル方向が一定となるため、電離圏の水平方向の電子密度分布を得にくいことがある。この問題は、GNSSの観測値と組み合わせるマルチGNSS利用により、解決すると考えられる。

マルチGNSSの搬送波位相測定値の2周波遅延差からTECを算出する場合、周波数間バイアスが発生するため、これを推定・除去しなければならない。バイアス推定には電離圏内の電子密度分布をモデル化する必要があるため、モデル化についての研究報告を行う。また、横浜国立大学内で測定したGPSとQZSS, 中国BeiDouの観測値を使用した、マルチGNSS-TEC観測例を示し、議論を行う。