日本地球惑星科学連合2014年大会

講演情報

インターナショナルセッション(口頭発表)

セッション記号 P (宇宙惑星科学) » P-PS 惑星科学

[P-PS01_30PM2] Toward JUICE and future explorations of outer solar system

2014年4月30日(水) 16:15 〜 18:00 418 (4F)

コンビーナ:*木村 淳(東京工業大学地球生命研究所)、谷川 享行(北海道大学低温科学研究所)、佐々木 晶(大阪大学大学院理学研究科宇宙地球科学専攻)、藤本 正樹(宇宙航空研究開発機構・宇宙科学研究本部)、笠羽 康正(東北大学大学院 理学研究科 地球物理学専攻)、関根 康人(東京大学大学院新領域創成科学研究科複雑理工学専攻)、座長:木村 淳(東京工業大学地球生命研究所)、佐々木 晶(大阪大学大学院理学研究科宇宙地球科学専攻)

17:00 〜 17:15

[PPS01-10] 木星成層圏における分子による放射強制のシミュレーション

*黒田 剛史1Medvedev Alexander2Hartogh Paul2 (1.東北大・理、2.マックスプランク太陽系研究所)

キーワード:木星, 大気放射, 巨大ガス惑星, JUICE

本発表では,木星の上部対流圏および成層圏(103~10-3 hPa)における大気分子による放射加熱・冷却率について,大気大循環モデル(GCM)への導入用に開発された大気放射スキームを用いた計算結果を示す.このスキームは相関k-分布法に基づいたバンドモデルで,CH4による太陽光吸収,およびC2H6, C2H2, CH4分子ならびにH2-H2/H2-He 衝突誘起吸収による赤外放射を考慮している.このバンドモデルによる計算結果は,line-by-line法と比較して誤差10%以内の精度を達成しており,よってこのスキームを用いた炭化水素の混合比の変化による加熱・冷却率の変化,および放射対流平衡温度の計算結果を本発表で紹介する.放射対流平衡温度は赤道域において観測された鉛直温度分布に近い結果が得られた.またこのスキームを用いた計算では,上部成層圏の放射強制がConrath et al. [1990]による示唆よりもはるかに強いことが示された.本研究での計算結果では放射緩和時間は上層に行くにつれて指数関数的に短くなり,対流圏界面付近では約108秒の放射緩和時間が上部成層圏では約105秒となっている.