日本地球惑星科学連合2014年大会

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ポスター発表

セッション記号 P (宇宙惑星科学) » P-PS 惑星科学

[P-PS21_29PO1] 惑星科学

2014年4月29日(火) 18:15 〜 19:30 3階ポスター会場 (3F)

コンビーナ:*奥住 聡(東京工業大学大学院理工学研究科)、黒澤 耕介(千葉工業大学 惑星探査研究センター)

18:15 〜 19:30

[PPS21-P02] チェリャビンスク火球の明るさと色の時間変化

*柳澤 正久1 (1.電気通信大学)

キーワード:火球, 天体衝突, 太陽系小天体, チェリャビンスク, スペースガード, 隕石

2013年2月15日3時20分(世界時)のロシア・チェリャビンスク市近郊で起きた火球は,車載カメラを含む多くのモニターカメラによって撮影され,その画像がインターネット上に公開されている.我々はその中の一つを解析し,明るさと色の時間変化を調べた(明るさの時間変化を図に示す).結果は次の通りである.(1)光エネルギーのほとんどは1~2秒間のフレア(光度が急激に増大する現象)で放射された; (2)フレア以前の放射は黒体放射ではない; (3)フレア時のスペクトルは3500 Kの黒体放射と矛盾しない; (4)3500 Kの黒体放射を仮定すると全波長にわたって単位時間に放射されるエネルギーは最大で1.0 × 1015 Wであった; (5)全放射エネルギーから推定される衝突エネルギーは1.9 × 1015 J (TNT爆薬450 ktonのエネルギーに相当)であった.また,3500 Kの黒体放射をする黒体の面積は120 km2であり,火球の軌跡に沿った半径 1 km,長さ20 kmの円柱の表面からの放射が考えられる.

図の説明:単位波長当たりの光度(左側の目盛: RGB各バンドについて太線,破線,細線で示す).光度は単位時間当りに全方向に放射されるエネルギーと定義する.右側の目盛は3500 Kの黒体放射を仮定した場合のGバンドの値(破線)から算出される全波長での光度である.横軸の時刻は2013年2月15日3時20分の秒(世界時).