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[PPS23-21] 月の縦孔・地下空洞探査
キーワード:月, SELENE, 縦孔, 地下空洞
2007年に我が国が打ち上げた月探査機SELENE(かぐや)に搭載された地形カメラのデータから、月のマリウス丘、静の海、賢者の海に、直径、深さともに、50~100mに及ぶ巨大な縦孔構造が発見された。これらは、月地下に存在する大きな空洞構造の上に開いたものと考えられた。その後、これらの縦孔構造は、明らかに地下の地下空洞構造に繋がっていることが確認されるようなデータが集積されている。こうした地下の空洞構造は、地球からの類推で、溶岩チューブや、マグマ溜まり、或いは断層起源の空洞などが考えられる。これらの縦孔・地下空洞は、様々な科学的な点から興味がある。加えて、こうした縦孔或いは地下空洞は、火星にも存在する。火星の地下空洞に至っては、生命が発現・維持・進化するのに、火星上でも最も可能性の高い所であると言える。月・火星の縦孔・地下空洞は、月惑星科学の観点から最も重要な探査対象の一つである。 しかしながら、深さ数10m以上にも及ぶ縦孔を降下し、数10cm~数mにも及ぶ岩体の散在する縦孔底を走破し、更に奥へ暗く拡がる空間へと探査を進める事は、非常にチャレンジングである。しかしだからこそ、我々は、これら縦孔・地下空洞の探査をミッション・探査システム・アウトリーチなど、様々な観点から議論を重ね、「Unprecedented Zipangu Underworld of the Moon Exploration (UZUME)計画」として、探査を実現しようとしている。本講演では、現在のUZUME計画の検討状況を報告する。