日本地球惑星科学連合2014年大会

講演情報

ポスター発表

セッション記号 P (宇宙惑星科学) » P-PS 惑星科学

[P-PS23_2PO1] 月の科学と探査

2014年5月2日(金) 16:15 〜 17:30 3階ポスター会場 (3F)

コンビーナ:*諸田 智克(名古屋大学大学院環境学研究科)、本田 親寿(会津大学)、西野 真木(名古屋大学太陽地球環境研究所)、長岡 央(早稲田大学先進理工学部)

16:30 〜 17:30

[PPS23-P02] 月面コーナーキューブミラーの角度・変形・DAO解析

*鹿島 伸悟1野田 寛大1荒木 博志1花田 英夫1國森 裕生2大坪 俊通3 (1.国立天文台RISE月惑星探査検討室、2.情報通信研究機構、3.一橋大学社会学研究科)

キーワード:月レーザ測距, コーナーキューブミラー, 光学応答

【要旨】
次期SELENE計画の一環として、月面に口径20cmクラスの新たなコーナーキューブミラー(CCM)を設置することを考えている。これにより、地球・月間の距離をcmオーダーで精測し、その微妙な変動を高精度に解析することで、月の内部構造やその起源を明らかにすることが可能となる。このような高精度の測定を可能にするには、各ミラーの直角精度0.1秒、面精度10/λ以下、DAO角0.6秒±0.1秒といった非常に高精度な加工・組立及び測定が必要となる。

【角度誤差解析】
完全な平面が完璧に直角に形成されたCCMが月面に於いて環境温度や重力によりどのように変形するか、そしてそのように変形した場合の光学応答がどうなるかに関しては報告済みであるが、そもそも完全な平面や完璧に直角に形成することは不可能であるため、これらの初期エラーに関しても解析しておく必要がある。
下図はCCMの3面の全ての各2面に0.1秒及び0.3秒の角度エラーを与えた場合の光学応答である。地球月間の距離、及びその間のビームの拡がりも考慮している。角度エラーが0.1秒から0.3秒になっただけで、大きく劣化していることが見て取れる。

【今後の展開】
下図では各面は完全な平面としているが、実際には製造誤差・熱変形・重力変形が重畳するため、これらを全て考慮した解析をする必要がある。かなり複雑且つ評価の難しい解析となるが、必要且つ重要な解析であり、今後の課題である。