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[PPS24-11] 可視光応答性を持つ星間分子の実験室生成とその高分解能分光
キーワード:ぼやけた星間線, 星間分子, 分光, キャビティーリングダウン, 分子雲, 放電
地球と星の間の星間空間には光を遮断する希薄な分子雲が存在し、その分子雲の物質による可視光領域の吸収線Diffuse Interstellar Bands(DIBs)が観測されている。これらは未同定の星間分子である。その起源となっている分子は、地球外生物の元となりうる地球外有機物であり、宇宙の分子進化のひとつの段階を示すものと考えられている。DIBsの候補であるためには、可視光領域に吸収線を持たなければならない。そこで、多環芳香族のラジカルが有力視されている。これらを同定するため、放電による星間分子の生成と測定を行っている。生成にはホロカソード放電を用いており、測定には、Cavity Ringdown 分光器と放電発光分光器を用いている。近年我々は、Cavity Ringdown 分光器により、フェニルチオラジカル(C6H5S)の電子遷移の高分解能測定を行った。また、放電発光分光器により、フェノキシラジカル(C6H5O)の電子遷移の測定も行った。これらの測定結果を用いて、星間空間で観測されたDIBsスペクトルとの比較検討を行った。