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[SCG67-11] 南海トラフにおける海底地殻変動観測-東北地方太平洋沖地震後の経過報告-
キーワード:海底地殻変動観測, 海底測地, 南海トラフ
海上保安庁海洋情報部では,東大生産技術研究所の技術協力の下,主に日本海溝及び南海トラフ沿いの海域において,GPS/音響結合方式による海底地殻変動観測を行っている.これまでに,海洋プレートの沈み込みに伴う地殻変動や地震に伴う地殻変動を検出し,学会等で報告してきた. 南海トラフにおいては,2002~2004年に,御前崎沖から室戸岬沖にかけての海域に6点の海底基準点を設置し,測量船による繰り返し観測を行ってきた.その結果,2011年3月の東北地方太平洋沖地震前までの観測から,各海底基準点の移動速度として西北西方向に2~5cm/年の速度が得られ,場所による速度の違いが示唆されていた. さらに,同地震後には,南海トラフで発生する地震の震源域全域をカバーするため,四国沖を中心に海底基準点を9点増設し,地震後の地殻変動の検出を目指して観測を継続している.既設6点を含む全15点で移動速度が得られれば,プレート間の固着状況の空間変化が検出できると期待される.海底基準点の増設から約2年が経過し,多くの海底基準点でフィリピン海プレートの沈み込みによると考えられる西向き及び北向きの地殻変動が捉えられはじめている.また,場所による移動速度の違いも見えてきている. 本講演では,南海トラフで実施している海底地殻変動観測について,東北地方太平洋沖地震後の経過報告を行う.