日本地球惑星科学連合2014年大会

講演情報

ポスター発表

セッション記号 S (固体地球科学) » S-CG 固体地球科学複合領域・一般

[S-CG67_2PO1] 海洋底地球科学

2014年5月2日(金) 16:15 〜 17:30 3階ポスター会場 (3F)

コンビーナ:*沖野 郷子(東京大学大気海洋研究所)、田所 敬一(名古屋大学地震火山研究センター)、石塚 治(産業技術総合研究所地質情報研究部門)、土岐 知弘(琉球大学理学部)、高橋 成実(海洋研究開発機構地震津波・防災研究プロジェクト)

16:15 〜 17:30

[SCG67-P04] 長期海底ラドン濃度連続計測のためのNaIガンマ線分光装置の開発

*蜷川 清隆1豊田 新1藤原 泰誠1中川 益生1山本 勲1熊谷 英憲2木下 正高2久保 信3 (1.岡山理科大学理学部応用物理学科、2.海洋研究開発機構、3.クリアパルス株式会社)

キーワード:ラドン, 海底, 長期連続計測, NaI

日本列島においては数十年以内に東海・東南海・南海における巨大地震が予想されており、人命及び社会的基盤の被害軽減のためにも、海溝型地震の機構と地震発生帯において起きている物理的化学的プロセスを理解することは極めて重要な科学的課題である。1995年の兵庫県南部地震において、地震の前に空気中及び地下水中ラドン濃度が増加したという観測結果を踏まえ、この研究では、予想される東南海地震の震源域である熊野灘沖海底において、ガンマ線計測によって連続的に水中のラドン濃度の測定を行い、微小地震との相関を調べて、地殻の変動に対する地殻内の流体の応答についての基礎的な研究に資することを目的としている。
これまでの海底ガンマ線計測は潜水船でその場所に赴き、到着時点の線量を測定するのみであった。しかし、地震との相関を調べるために、ガンマ線の時間的変動を調査することを目的とする。このために、平成24年度から、電池駆動式でデータを自動的に内部に記録できる海底設置型NaIガンマ線分光装置の検討を重ね、設計し、この1月にほぼ完成した。2月に予備測定をおこない、ソフト、ハード面の改良をおこなって、4月から9月にわたっての期間、熊野灘沖の海底の湧水域に設置し、ガンマ線の時間変動を約4.6カ月間以上計測する計画である。
長期海底ラドン濃度連続計測のためのNaIガンマ線分光装置の仕様は以下のようにした。
名称 深海用低消費電力型γ線記録装置
PMT用高圧電源 +1000V MAX プログラムで電圧を制御できる
増幅器 電荷増幅器、 記憶容量 1Gbit (NOR Flash)
通信 RS-232C  921,600bps、消費電流 on 110mA, off 10mA
動作 初期設定をPCとの通信で行った後通信を切断し、電源電圧が低下するまで自動的にスペクトル、温度、電源電圧データを収集し保存する。電力削減のために間欠運転モードを備えている。電源電圧が低下あるいは記憶装置容量の限界に達した場合は自動的に測定を停止し電源を切断する。データ収集後PCと接続し保存したデータを読み出せる。
電源  単三アルカリ電池 30本6段9V