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[SEM37-P11] 根室・釧路地域の重磁力異常から推定される中規模地帯区分の地質学的な実態解明の研究(2)
キーワード:岩石磁気, 磁気異常, 重力異常, 根室, 北海道
北海道東部太平洋沿岸には極めて特徴的に正の重力異常(e.g., 森尻ほか, 2000)と正の磁気異常(e.g., 中塚ほか, 2005;Sugisaki et al., 2001)が見ら認められる.この高重力異常帯と後期白亜系~古第三系根室層群の分布が重なることから,一般には根室層群の存在が高重力異常の原因と考えられてきた(e.g., 山本・石川, 2004).しかし現在地表に現れている堆積岩主体の根室層群だけで高重力異常を説明することは困難であった(森尻ほか, 2000).筆者らはこれらの研究を踏まえ,根室層群中に小規模ながら噴出相として産出するアルカリかんらん石粗粒玄武岩に着目して,地質試料の採取を行い,密度測定ならびに自然残留磁化強度,帯磁率の測定を行い2007年の連合大会で報告した.今回,落石岬沖海底地質図に付属する重磁力図が公表された(上嶋・駒澤, 2012)ことから,計算モデルの改良を行った.その結果,前回推定された地質構造モデルに重要な変更を迫る必要性が無いことを確認した.