18:15 〜 19:30
[SGC56-P05] ZnTiO3の高温高圧相転移
キーワード:ZnTiO3, LiNbO3, ペロブスカイト, 高圧
ペロブスカイト型MgSiO3は下部マントルの主要構成鉱物であると考えられている。MgSiO3 は、22-24GPa、1400-1800℃でイルメナイト型からペロブスカイト型に相転移する。イルメナイト型MgSiO3のアナログ物質であるイルメナイト型ZnTiO3は、約20-25 GPaでZnO + TiO2に分解する(Ito and Matsui, 1979)。しかし、その相関係は詳細に調べられていなかった。そこで、本研究ではZnTiO3の高温高圧下での相関係を決定した。
出発物質のイルメナイト型ZnTiO3は、ZnOとTiO2をモル比1:1で混合し、800℃で32時間加熱することにより合成した。川井型6-8 マルチアンビル高圧発生装置を用い、出発試料を13-35 GPa、1000-1400 ℃の条件で1-2時間保持後、急冷回収した。回収した試料について、粉末X線回折法を用いて相の同定を行った。
15-20 GPa、1000-1400 ℃で実験した回収試料は、LiNbO3型構造であった。イルメナイト型とLiNbO3型の相境界線はP(GPa) =19.9-0.0038T(℃)と決定された。イルメナイト型FeTiO3は、約15 GPa以上でぺロブスカイト型に転移し、減圧過程でLiNbO3型となり、イルメナイトとぺロブスカイトの相境界線は負の勾配を持つ(Ming et al., 2006)。一般的に、イルメナイト型からペロブスカイト型への転移では2価陽イオンの配位数が6から8へ増加するため、正のエントロピー変化となる。このため、相境界線は負の勾配を持つ。一方、LiNbO3型の2価陽イオンは6配位であり、仮にLiNbO3型構造が安定だとしたとき、予想される相境界線の勾配は正となる。したがって、FeTiO3と同様に、ZnTiO3は高圧下でぺロブスカイト型であったものが、減圧過程でLiNbO3型に転移したと考えられる。
約20 GPa以上で行われた実験の回収試料は、ウルツ鉱型ZnOとα-PbO2型TiO2であった。ペロブスカイト型とZnO+TiO2の相境界線は P(GPa)=9.5+0.010T(℃) と決定された。ZnOは約6 GPaでウルツ鉱型から塩化ナトリウム型に転移し(Kusaba et al., 1999)、TiO2は約17 GPaでα-PbO2型からバデレアイト型に転移する(Tang and Endo, 1993)。そのため、分解相の安定領域では、ZnOとTiO2はそれぞれ塩化ナトリウム型とバデレアイト型で存在すると考えられる。
出発物質のイルメナイト型ZnTiO3は、ZnOとTiO2をモル比1:1で混合し、800℃で32時間加熱することにより合成した。川井型6-8 マルチアンビル高圧発生装置を用い、出発試料を13-35 GPa、1000-1400 ℃の条件で1-2時間保持後、急冷回収した。回収した試料について、粉末X線回折法を用いて相の同定を行った。
15-20 GPa、1000-1400 ℃で実験した回収試料は、LiNbO3型構造であった。イルメナイト型とLiNbO3型の相境界線はP(GPa) =19.9-0.0038T(℃)と決定された。イルメナイト型FeTiO3は、約15 GPa以上でぺロブスカイト型に転移し、減圧過程でLiNbO3型となり、イルメナイトとぺロブスカイトの相境界線は負の勾配を持つ(Ming et al., 2006)。一般的に、イルメナイト型からペロブスカイト型への転移では2価陽イオンの配位数が6から8へ増加するため、正のエントロピー変化となる。このため、相境界線は負の勾配を持つ。一方、LiNbO3型の2価陽イオンは6配位であり、仮にLiNbO3型構造が安定だとしたとき、予想される相境界線の勾配は正となる。したがって、FeTiO3と同様に、ZnTiO3は高圧下でぺロブスカイト型であったものが、減圧過程でLiNbO3型に転移したと考えられる。
約20 GPa以上で行われた実験の回収試料は、ウルツ鉱型ZnOとα-PbO2型TiO2であった。ペロブスカイト型とZnO+TiO2の相境界線は P(GPa)=9.5+0.010T(℃) と決定された。ZnOは約6 GPaでウルツ鉱型から塩化ナトリウム型に転移し(Kusaba et al., 1999)、TiO2は約17 GPaでα-PbO2型からバデレアイト型に転移する(Tang and Endo, 1993)。そのため、分解相の安定領域では、ZnOとTiO2はそれぞれ塩化ナトリウム型とバデレアイト型で存在すると考えられる。