日本地球惑星科学連合2014年大会

講演情報

口頭発表

セッション記号 S (固体地球科学) » S-GD 測地学

[S-GD21_28AM1] 測地学一般

2014年4月28日(月) 09:00 〜 10:45 413 (4F)

コンビーナ:*高島 和宏(国土交通省国土地理院)、風間 卓仁(京都大学理学研究科)、座長:松尾 功二(京都大学 理学研究科)、古屋 智秋(国土交通省国土地理院)

09:30 〜 09:45

[SGD21-03] SLR 衛星の光学応答に敏感な地球のスケールパラメータ

*大坪 俊通1松尾 功二2Sherwood Robert A3Appleby Graham M3Neubert Reinhart4 (1.一橋大学、2.京都大学、3.NERC SGF Herstmonceux, UK、4.GFZ Potsdam, Germany)

キーワード:宇宙測地, 衛星レーザ測距, 地球基準座標系

kHz レーザ測距技術などの進展により,今では SLR (衛星レーザ測距)による地上局・衛星間の測距精度はミリメートルの域に達している.このなかで,球形の SLR 衛星の大きさに起因する誤差が,高精度化を妨げる最大の要因になっている.あじさい・LAGEOS・ETALON についてはすでに Otsubo and Appleby (JGR, 2003) での研究があるが,本研究ではより小さな STARLETTE・STELLA・LARES に適用した.衛星の光学応答を Herstmonceux 局・Potsdam 局の実データであてはめるなどの解析を行った結果,STARLETTE・STELLA 衛星の重心補正値標準値は 3 mm 小さすぎたことが判明した.最大で,地球基準座標系に対しては,0.5 ppb,重力パラメータ GM に対しては 1.7 ppb の影響を与える量である.長期にわたる SLR 観測方法の変化は,それらのスケールパラメータに系統誤差を与える可能性がある.検出器に入る光子の数が減ると,検出のタイミングが後ろにずれ,そして重心補正値は小さくなるはずである.これを考慮せずに解析を行うと,特に GM に対して無視できないレベルのインパクトがある.