日本地球惑星科学連合2014年大会

講演情報

口頭発表

セッション記号 S (固体地球科学) » S-GD 測地学

[S-GD21_28AM2] 測地学一般

2014年4月28日(月) 11:00 〜 12:45 413 (4F)

コンビーナ:*高島 和宏(国土交通省国土地理院)、風間 卓仁(京都大学理学研究科)、座長:落 唯史(独立行政法人産業技術総合研究所 活断層・地震研究センター)、大市 一芳(海上保安庁海洋情報部)

12:15 〜 12:30

[SGD21-13] レーザースキャナーによる室野泥火山の上下変動の測定

*高橋 温志1福田 洋一1楠本 成寿2 (1.京都大学大学院理学研究科、2.富山大学理学部)

キーワード:トータルステーション, レーザースキャナー, 泥火山, 上下変動, 茂木モデル

新潟県十日町市にある室野泥火山において、泥火山の活動に伴う地表面の変動を面的にとらえることを目的とし、TOPCON社製Imaging Station IS-301を用いた調査を行った。IS-301は標的プリズムを精度よく測定するトータルステーションの機能に加え、地表面の3次元位置情報を自動的に取得するスキャナーモードを搭載している。室野泥火山では、富山大学により61点の水準点が設置されており、これまでにも定期的な水準観測が実施されている。今回は、2013年6月と10月の二度の測定を行い、スキャナーモードによる測定に加えて、水準点でのトータルステーション機能による測定も行い、精度評価もあわせて行った。 スキャナーモードの測定で得られた2回の点群データから、まず、格子内のデータを平均する方法と、誤差関数を重みとして内挿する2通りの方法を用いて、それぞれ格子状の値を計算し、2回の測定値の差から変動量を算出した。その結果、内挿によるデータの差分として領域の一部で同心円状の隆起を示すシグナルがとらえられた。次にこの隆起を説明するために茂木モデルを用いてフォワード計算を行ったところ、最大で約1.5cm程度の隆起が予測され、これは、最近傍の水準点での測定値と良く一致した。点群データは個々の測定精度は劣るが空間解像度は優れており、隆起の様子を面的にとらえることができるため、隆起の変動源の推定といった目的に有用であることが示された。