18:15 〜 19:30
[SIT38-P03] 微粒正長石多結晶体の焼結実験
キーワード:サブミクロン, 正長石, 焼結
カリ長石は花崗岩や変成岩の主要構成鉱物であり,その変形挙動を明らかにすることは大陸地殻のレオロジーを理解するうえで重要である.変形機構の1つである拡散クリープは鉱物種,結晶粒径,空隙等の因子が影響しており,室内実験においてはこれらの因子が制御された鉱物多結晶体が欠かせない.そこで正長石を原料に緻密な微粒正長石多結晶体を作製することを目的とした焼結実験を行った.
本研究では,正長石(K0.83Na0.17)Al1.04Si2.96O8をサブミクロンスケールに粉砕した.蛍光X線(XRF)分析により,微粒粉末からは粉砕機からの混染であると考えられるジルコニウムが最大5.65wt.%検出された.この微粒粉末を乾式にて一軸加圧成形(室温,20MPa)を行い,円柱状の成形体を超高温管状炉で温度970℃,圧力〜4.1×10Paの条件下で4時間焼成した.またマッフル炉を用い同温で常圧焼結した試料との比較を行った.焼結体はXRF分析,X線回折(XRD)分析を行い,組織観察には走査型電子顕微鏡(SEM)を用いた.
真空焼結と常圧焼結の結果,それぞれ収縮率52.2%,44.5%,空隙率0.15,0.17の焼結体が得られた.SEM観察から,いずれの焼結体も空隙が減少し緻密化している構造が確認された.XRD分析の結果,結晶構造(Al/Si秩序無秩序)は成形体から変化せずに焼結していることが確認された.
本研究の結果,微粒粉末を用いることで真空下または常圧下の焼成で低空隙率の鉱物多結晶体を作製することが可能であることが分かり,無秩序型の長石であるサニディンが安定する温度で焼成しても,4時間の焼成では正長石がAl/Si秩序無秩序相転移を起こさずに焼結することが確認できた.
本研究では,正長石(K0.83Na0.17)Al1.04Si2.96O8をサブミクロンスケールに粉砕した.蛍光X線(XRF)分析により,微粒粉末からは粉砕機からの混染であると考えられるジルコニウムが最大5.65wt.%検出された.この微粒粉末を乾式にて一軸加圧成形(室温,20MPa)を行い,円柱状の成形体を超高温管状炉で温度970℃,圧力〜4.1×10Paの条件下で4時間焼成した.またマッフル炉を用い同温で常圧焼結した試料との比較を行った.焼結体はXRF分析,X線回折(XRD)分析を行い,組織観察には走査型電子顕微鏡(SEM)を用いた.
真空焼結と常圧焼結の結果,それぞれ収縮率52.2%,44.5%,空隙率0.15,0.17の焼結体が得られた.SEM観察から,いずれの焼結体も空隙が減少し緻密化している構造が確認された.XRD分析の結果,結晶構造(Al/Si秩序無秩序)は成形体から変化せずに焼結していることが確認された.
本研究の結果,微粒粉末を用いることで真空下または常圧下の焼成で低空隙率の鉱物多結晶体を作製することが可能であることが分かり,無秩序型の長石であるサニディンが安定する温度で焼成しても,4時間の焼成では正長石がAl/Si秩序無秩序相転移を起こさずに焼結することが確認できた.