18:15 〜 19:30
[SIT38-P04] アノーサイト多結晶体の高温クリープへの微量添加物の効果
キーワード:アノーサイト多結晶体, 拡散クリープ, 微量添加物の効果
内陸地震の発生準備過程には下部地殻の粘性変形が大きく関与していると考えられている。これまでのアノーサイトの流動則に関する研究と岩石微構造観察から、下部地殻(温度400~700℃、及びマイロナイトで見られる粒径数十μm 程度)では拡散クリープで変形すると考えられている。したがって、拡散クリープ下でのアノーサイトの正確な固さを決めることは非常に重要なことである。
これまでの先行研究ではアノーサイトの粒径、温度、応力、含水率の効果が詳細に調べられてきた。しかし、先行研究の試料に含まれる微量(<1 wt%)の不純物の効果は考慮されてこなかった。セラミックスでは微量の不純物によって多結晶体の固さが大きく変化することが知られている。実際、我々が開発した不純物のほとんど含まれていないアノーサイト多結晶体は先行研究のアノーサイトよりも粘性率にして2ケタ固いことがわかっている。そこで、本研究ではこの不純物のほとんど含まれていないアノーサイトに微量のMgOを添加し高温クリープに対する影響を調べた。
MgO入りアノーサイト多結晶体は粒径50 nm以下のCaCO3, Al2O3, SiO2, Mg(OH)2 の微粒粉を真空焼結法を用いて作製した。MgOの量が1 wt%となるようにした。この多結晶体に対し、応力一定実験を行った。実験条件は応力10~100 MPa、温度1150℃~1380℃、封圧0.1 MPaとした。変形実験前後で走査型電子顕微鏡観察によって粒径を求めた。
実験前後の平均粒径は1~2μmであった。応力-歪速度を対数プロットしたところ、両者に線形関係が見られた。その傾きから応力指数n = 1が得られ、拡散クリープ下で変形したと推測された。MgO入りアノーサイトは純粋なアノーサイトよりも粘性率にして1ケタ以上柔らかいことがわかった。また、活性化エネルギーQ = 702 kJ/molも純粋なアノーサイトよりも大きかった。固さの違いは粒界に偏析したMgの影響と考えられる。
これまでの先行研究ではアノーサイトの粒径、温度、応力、含水率の効果が詳細に調べられてきた。しかし、先行研究の試料に含まれる微量(<1 wt%)の不純物の効果は考慮されてこなかった。セラミックスでは微量の不純物によって多結晶体の固さが大きく変化することが知られている。実際、我々が開発した不純物のほとんど含まれていないアノーサイト多結晶体は先行研究のアノーサイトよりも粘性率にして2ケタ固いことがわかっている。そこで、本研究ではこの不純物のほとんど含まれていないアノーサイトに微量のMgOを添加し高温クリープに対する影響を調べた。
MgO入りアノーサイト多結晶体は粒径50 nm以下のCaCO3, Al2O3, SiO2, Mg(OH)2 の微粒粉を真空焼結法を用いて作製した。MgOの量が1 wt%となるようにした。この多結晶体に対し、応力一定実験を行った。実験条件は応力10~100 MPa、温度1150℃~1380℃、封圧0.1 MPaとした。変形実験前後で走査型電子顕微鏡観察によって粒径を求めた。
実験前後の平均粒径は1~2μmであった。応力-歪速度を対数プロットしたところ、両者に線形関係が見られた。その傾きから応力指数n = 1が得られ、拡散クリープ下で変形したと推測された。MgO入りアノーサイトは純粋なアノーサイトよりも粘性率にして1ケタ以上柔らかいことがわかった。また、活性化エネルギーQ = 702 kJ/molも純粋なアノーサイトよりも大きかった。固さの違いは粒界に偏析したMgの影響と考えられる。