日本地球惑星科学連合2014年大会

講演情報

口頭発表

セッション記号 S (固体地球科学) » S-IT 地球内部科学・地球惑星テクトニクス

[S-IT39_2AM2] 地球深部ダイナミクス:プレート・マントル・核の相互作用

2014年5月2日(金) 11:00 〜 12:45 416 (4F)

コンビーナ:*綿田 辰吾(東京大学地震研究所海半球観測研究センター)、境 毅(愛媛大学地球深部ダイナミクス研究センター)、中川 貴司(海洋研究開発機構地球内部ダイナミクス領域)、座長:河合 研志(東京工業大学大学院理工学研究科地球惑星科学専攻)

12:15 〜 12:30

[SIT39-P07_PG] 2段式加圧方式DACによる超高圧発生への試み

ポスター講演3分口頭発表枠

*境 毅1八木 健彦1大藤 弘明1入舩 徹男1大石 泰生2平尾 直久2鈴木 裕也3黒田 靖3浅川 孝之3金村 崇3 (1.地球深部ダイナミクス研究センター、愛媛大学、2.高輝度光科学研究センター、3.日立ハイテクノロジーズ)

キーワード:ナノ多結晶ダイヤ, マイクロアンビル

高圧物性科学にとって1 TPa領域は今も未開拓地である。ダイヤモンドアンビルセル(以下DAC)による静的圧縮実験としての最高圧力は400 GPa程度(Akahama and Kawamura, 2010)であった。これに対し、Dubrovinsky et al. (2012)がDACを用いた2段式加圧方式により640 GPaを発生したと報告し、静的圧縮による1 TPaの発生は目指しうる目標として見えてきた。しかしこの報告では、1段目に通常のダイヤモンドアンビル、2段目に炭素から直接変換した半球状のナノ多結晶ダイヤを対向させたものが使用されており、マイクロアンビルの形状制御が困難、アンビルの位置がずれやすい、試料設置が困難等により再現性ある実験を行うことが難しいといった問題点がある。
 本研究では、集束イオンビーム(FIB)加工機によるマイクロアンビルの作成を行った。この利点は、アンビルの形状制御ができる、サブミクロン精度での組み立て可能、試料も同時に作成可能、素材によらず加工が可能といった点で、種々のパラメータを制御しながら再現性良く実験を繰り返すことができる。我々はこの手法により現在最高で340 GPaまでの発生に成功しており、その詳細について報告する。