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[SMP46-P05] 沈み込み帯の温度構造と水の循環ー東北日本と西南日本の比較
キーワード:沈み込み帯, 東北日本と西南日本
東北日本では古い太平洋プレートが高速で沈み込み、西南日本では若いフィリピン海プレートが低速で沈み込んでいる。この沈み込み条件の違いは、東北日本の方が西南日本より島弧火山活動が活発でプレート境界地震の下限が深いこと、さらに西南日本のプレート境界で深部低周波微動が観測されていることなどに表れている。このような特徴から、東北日本と西南日本は、しばしば暖かい沈み込み帯と冷たい沈み込み帯の典型的な例として比較検討されている。本研究では、この2つの沈み込み帯の温度構造のほか、流体移動など沈み込み帯での物理的化学的過程について、数値モデルを用いて検討した。この数値モデルでは、スラブの脱水、マントルウェッジの加水・脱水、マントルウェッジの部分溶融、メルトとH2O流体の移動、温度・含水量・部分溶融度に依存したかんらん岩の流動則を考慮しており、スラブ年齢や速度などの沈み込み条件が、諸過程とくに水の輸送を通してどのように両地域の地震・火山活動に影響するのかについて議論する。