日本地球惑星科学連合2014年大会

講演情報

口頭発表

セッション記号 S (固体地球科学) » S-MP 岩石学・鉱物学

[S-MP49_1PM2] ナノから解き明かす地球惑星物質の性状と起源

2014年5月1日(木) 16:15 〜 17:45 314 (3F)

コンビーナ:*鈴木 庸平(東京大学大学院理学系研究科)、村上 隆(東京大学大学院理学系研究科地球惑星科学専攻)、月村 勝宏(産業技術総合研究所)、鈴木 正哉(産業技術総合研究所 地質調査総合センター)、横山 正(大阪大学大学院理学研究科宇宙地球科学専攻)、福士 圭介(金沢大学環日本海域環境研究センター)、光延 聖(静岡県立大学環境科学研究所)、座長:福士 圭介(金沢大学環日本海域環境研究センター)、横山 正(大阪大学大学院理学研究科宇宙地球科学専攻)

16:30 〜 16:45

[SMP49-02] 表層水圏環境で生成するサブミクロンスケールのマンガン酸化物の特性・環境

*臼井 朗1 (1.高知大学自然科学系理学部門 )

キーワード:マンガン酸化物, マンガンクラスト, マンガン団塊, 層状マンガン鉱物, 低温熱水活動, 酸化還元環境

表層水圏環境においては,主に表層水(海洋,河川,土壌,地下水,温泉水,生体など)を媒体として,様々な鉱物が生成している.重金属元素の中では特に,鉄とマンガンは,表層環境で移動しやすい元素であり,陸域から深海底にいたる多様な環境において酸化物の沈殿現象あるいは溶解・再沈殿などが認められる.また,沈殿に伴って多くの種類の副成分を取り込むことがしられており,マクロには非常に効率的な沈殿形成と副成分の吸着という結果として認められる. 一般にはppm未満のオーダーの溶液から,サブミクロンサイズの粒子が形成されると予想されるが,単体の粒子は光学,低解像度SEMで観察することは困難なため,その鉱物学的,化学的な特徴付けが充分になされていない.海洋含んだ表層環境での物質循環,鉱物資源形成,環境解読の考察にあたって,その特徴づけが求められている. ここでは,海底マンガン酸化物の生成に深く関わる,元素の供給源,生成する鉱物の性状,特徴などに関して,レビュー及び筆者らの予察的研究を紹介する.