日本地球惑星科学連合2014年大会

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セッション記号 S (固体地球科学) » S-MP 岩石学・鉱物学

[S-MP49_1PO1] ナノから解き明かす地球惑星物質の性状と起源

2014年5月1日(木) 18:15 〜 19:30 3階ポスター会場 (3F)

コンビーナ:*鈴木 庸平(東京大学大学院理学系研究科)、村上 隆(東京大学大学院理学系研究科地球惑星科学専攻)、月村 勝宏(産業技術総合研究所)、鈴木 正哉(産業技術総合研究所 地質調査総合センター)、横山 正(大阪大学大学院理学研究科宇宙地球科学専攻)、福士 圭介(金沢大学環日本海域環境研究センター)、光延 聖(静岡県立大学環境科学研究所)

18:15 〜 19:30

[SMP49-P02] ナノサイズアルミニウムケイ酸塩による鉛吸着の表面錯体モデリング

*牛山 智樹1福士 圭介2 (1.金沢大学大学院自然科学研究科、2.金沢大学環日本海域環境研究センター)

キーワード:ナノサイズアルミニウムケイ酸塩, 鉛, 吸着, 表面錯体モデリング

鉛は有害元素であり、その溶存体は低濃度であっても知能症や神経症を引き起こす危険な物質である。日本にはかつて鉛を採掘した休廃止鉱山が多数存在しており、地表に投棄された鉱山廃石を起源とする自然由来水質汚染が懸念されている。自然由来汚染による鉛は比較的低濃度であると考えられるため、汚染による鉛の移動は土壌鉱物への吸着が支配さると考えられる。地球表層の物質の多くは微結晶や非晶質物質からなることが指摘されている。これまで鉄酸化物や層状ケイ酸塩のような結晶性鉱物および、フェリハイドライトに代表される低結晶性鉄酸化物に対する鉛の吸着挙動は詳細に検討されてきた。一方、地球表層に普遍的に存在すると考えられる微結晶アルミニウムケイ酸塩(以降NAS)における鉛の吸着挙動は現在まで検討されていない。NASによる鉛の吸着挙動を理解し、予測することは鉛の表層環境における動態を理解するうえ上で重要である。
NASにおける吸着メカニズムは鉱物表面の表面水酸基に起因する変異電荷であることが理解されている。表面錯体モデリング(Triple Layer Model:TLM) は表面水酸基と溶存イオンとの吸着反応を定量的にモデル化する手法である。NASによる鉛の吸着反応を表面錯体モデリングによりモデル化できると、様々な環境条件における鉛の吸着挙動の予測が可能となる。本研究では様々な水質条件におけるNAS による鉛の吸着挙動を明らかにし、得られた実験データを用いて表面錯体モデリングにより吸着挙動をモデル化することを目的とした。