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[SRD45-08] 南鳥島沖深海底泥中に含有される高レアアース濃度アパタイトの起源
キーワード:レアアース, 深海底泥, アパタイト, 南鳥島, LA-ICPMS, Nd同位体
レアアース元素(以下REE)を多く含む深海泥は太平洋の広範囲に分布しているが、近年日本の領海内である南鳥島沖でも同様の深海泥が採取された。太平洋深海泥中のREEキャリア鉱物については、これまでフィリップサイトや鉄オキシ水酸化物,アパタイトやマンガン酸化物であるという報告がなされている。しかしながら、太平洋の広範囲でREEホスト鉱物が同一であるとは限らない為、個々の地域においてより詳細な研究が必要である。そこで産総研では、経済産業省からの事業委託を受けた(独)石油天然ガス・金属鉱物資源機構とともに南鳥島沖のボーリングによって採取されたREE泥についての研究を進めている。今回我々は採取されたREE泥より50-100g程度のフラクションを採取し、それぞれについて鉱物学的記載と化学分析を行う事で、本地域におけるREEキャリア鉱物の同定を試みた。まず、XRDを用いて鉱物相の同定を行った結果、REE泥からは、フィリップサイト、フルオロアパタイト、石英、長石、イライト、モンモリロナイトが含有されることが明らかになった。また、REY泥試料全岩平均化学組成は、カルシウム、リン 濃度と総REY濃度に正の相関があることが示された。REY泥試料中の相対アパタイト含有量は、リン濃度と総REY 濃度と正の相関を示した。これらの結果から、アパタイトはリンとREYのホスト相であることが示された。REYホスト相であるアパタイトのREY濃度定量分析を行った結果、9300?32000 ppmのREYがアパタイト中に含まれることが明らかになった。一方で、フィリップサイトには60?170 ppmのREYしか含まれていない。その結果、アパタイトがREYホスト相であることが定量的に示された。