日本地球惑星科学連合2014年大会

講演情報

口頭発表

セッション記号 S (固体地球科学) » S-SS 地震学

[S-SS23_1PM2] 強震動・地震災害

2014年5月1日(木) 16:15 〜 17:45 211 (2F)

コンビーナ:*元木 健太郎(小堀鐸二研究所)、座長:元木 健太郎(小堀鐸二研究所)

16:15 〜 16:30

[SSS23-22] 地震ハザードカルテ - 多指標とりまとめ型地震ハザード情報提供ツールの開発

*東 宏樹1藤原 広行1 (1.防災科学技術研究所)

キーワード:地震ハザード, 情報提供ツール

1.地震ハザードカルテの概要防災科研は2013年7月に『地震ハザードカルテ』を公開した。『地震ハザードカルテ』とは地点ごとの地震ハザード情報をまとめたもので、任意の場所を検索しその場所に関する地震危険度の診断書を作成することができる。結果は健康診断の通知書のように地震の危険度に関する各種地盤情報・ハザードカーブなどの多指標を多数のチャートやグラフを用いてA41枚にまとめられた一覧形式で表示する。 2.開発の目的地震本部による地震ハザード情報に対する国民の認知度等に関する調査や、総合部会における議論等から、利用者自身に由縁を持つある地点を起点として診断する形式を利用することで、地震ハザードに対する認識を広めることが可能と考えられた。地震ハザードカルテは他の地震ハザード情報と同様に基本的には一般市民全体に向けての発信であるが、ユースケースに分解した場合に大きく分けて以下の領域において使われることを想定した。特に①保険・不動産などの事業者に対しては、顧客向けのサービス資料として。②防災教育関係者および防災に携わる地域住民に対しては、ワークショップや家庭で対策を進めるための道具や、地域の地震ハザード情報の見方を教える教材として。③IT関係者、開発者に対しては、公開APIであるJ-SHIS Web APIを利用してレスポンス(返値)を表現するやり方のサンプルとして、それぞれ利用がしやすいよう意識して設計し、開発を行った。3.公開した結果公開した当初から多くの反響があり、国により一元的に評価された地震ハザード情報の見せ方の一つとして一定の効果を上げたと考えられる。今回地震ハザードカルテとして提供された情報の中にコンテンツとして新しいものは一つもなく、全てJ-SHIS|地震ハザードステーションからもとより提供されていた情報を異なる形式で可視化したに過ぎない。しかしそれでもカルテに対してポジティブなものでは「大変わかり易くてよい。遠くに住む家族にも教えた」というものから、ネガティブなものでは「こんなものが出ると当社の所有物件の価値に影響して困る」というような、ハザード情報が新規に公開された時のような反応が多数みられた。4.参考URL地震ハザードカルテ http://www.j-shis.bosai.go.jp/labs/karte/地震ハザードカルテの見方 http://www.j-shis.bosai.go.jp/karte-manual【ユレッジ特別企画】地震ハザードカルテの見方をざっくり解説  http://www.yullege.jp/?p=282J-SHIS Web API : http://www.j-shis.bosai.go.jp/api-list