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[SSS23-P08] 東濃地震科学研究所(TRIES)の地震観測点における雑微動最小振幅と地震動最大振幅との関係
キーワード:雑微動, 地震動, 離散フーリエ変換, 地盤, 最大振幅, サイト トクセイ
東濃地震科学研究所(TRIES)の地震観測点は1999年5月にTRIES点が設置され、順次拡張されて同年内に10点の観測網が完成した。この時期に観測された雑微動と地震動最大振幅の関係を調べるため、TRIES観測点を「基準点」とし、他の観測点における雑微動と地震動はTRIESの値で除した相対値で与えることとした。設置された地震計は固有振動数3.0Hzの過減衰型加速度計であり、0.1~10.0Hzの帯域でほぼ水平な振動特性である。トリガーによって、100Hzサンプリング記録が始まり、初動到来直前のデータから雑微動の最小振幅、それに続く地震動から最大振幅を求める。具体的には雑微動は数~10秒間、地震動最大振幅についてはP波、S波または表面波部分を数秒~10秒間、それぞれ離散フーリエ変換し、振幅を求めた。東濃地域における地震動観測から明らかにされたsite effectに基づいて、振動数帯域を2.0~4.0Hzの周波数帯域が地震動災害に大きく関わると予想し、上記帯域2.0~4.0Hzを20区間の幅0.1Hz小帯域に分割して、各小帯域における地震動最大振幅と雑微動最小振幅を計算した。TRIES観測点では70個を超える雑微動記録から最小振幅はかなり高い信頼性でが決定できたが、例えば戸狩観測点は10個の雑微動データの解析であり、その信頼性はまだ高くない。結果は全て雑微動最小振幅、地震動最大振幅ともTRIES点の値で除した相対値で与えて、マグニチュードや震央距離などの影響を少なくしてsite effectを強調することとした。恵那、瑞浪、明智、岩村、名滝、御嵩、土岐、犬山など全10観測点における予備的解析結果であるが、雑微動最小振幅と地震動最大振幅には有意な関連性が認められ、site effectを周波数帯域2.0~4.0Hzにおけるスペクトル振幅として表現することが出来た。