日本地球惑星科学連合2014年大会

講演情報

口頭発表

セッション記号 S (固体地球科学) » S-SS 地震学

[S-SS24_1PM1] 地震活動

2014年5月1日(木) 14:15 〜 16:00 315 (3F)

コンビーナ:*伊藤 喜宏(京都大学防災研究所)、座長:伊藤 喜宏(京都大学防災研究所)

15:30 〜 15:45

[SSS24-02] 地形を考慮した準円筒座標系地震波伝播モデリング

*豊国 源知1竹中 博士2岡元 太郎3趙 大鵬1 (1.東北大・理・予知セ、2.岡山大・理、3.東工大・理工)

キーワード:地震波形, 差分法, 地形, 固液境界

局所的な地震波伝播を精度と効率良くシミュレーションする手法としては,「準円筒座標系差分法」(Takenaka et al., 2003)が知られている.円筒座標系を用いて,震源を通る鉛直軸の周りに構造の軸対称性を仮定すると,計算時間とメモリをともに2次元計算並みに抑えて,3次元の波動場を計算できる.ただ通常の円筒座標系(0≦r<∞,-π<θ<π,-∞<z<∞)を使う場合,軸対称の仮定がネックとなり,震源を挟んで非対称な現実的な構造を扱えない.このため準円筒座標系差分法では,新たに定義した準円筒座標系(-∞<r<∞,-π/2 <θ<π/2,-∞<z<∞)を用いることで,この欠点を克服した.この手法はもともと構造探査をターゲットとした手法であり,軸対称震源のみが用いられていたが,現在は任意のモーメントテンソル点震源と非弾性減衰が取り扱えるよう,プログラムが拡張されている(Toyokuni et al., 2013, AGU Fall meeting).今回は,さらに現実的な地震波伝播シミュレーションのため,地表地形の導入を行った.差分法で任意形状の固液境界や自由表面を精度良く取り扱うためには,差分格子に法線応力のグリッドを中心とする「単位セル」の概念を導入したのち,境界近傍で2次精度の差分を用いればよい(岡元・竹中, 2005; Takenaka et al., 2009; Nakamura et al., 2012).今回は,このスキームを準円筒座標系差分法に導入し,東北地方の火山を対象として行った計算例を紹介する.